デミウルゴスの娘〜瞳の中の巫女姫〜 メーカー:CAT WALK
ANTITHESIS 様
<ストーリー>

 プロローグで初詣のときに主人公が事故を起こし意識不明。
 半年後、夢枕に巫女がたち、懐刀を預かることになる。
そうして次の日の朝、夢の中で預かったはずの懐刀を持ってめがさめることになる。
 退院して実家に帰ると玉依姫(たまよりひめ)なる、記憶をなくしたという正体不明の人物があらわれる。
 彼女は何故か主人公だけにみえ、触れられという存在。
 そうして学校生活を再開させたある日、主人公は謎の黒服に襲われ玉依姫の懐刀の力で他人の心を「斬る」という力を得てしまう…


<CG等について>

 塗りは綺麗ですね。
 光の使い方が特に上手いです。
 絵も一般向けするかと。
 たまにオカシナ構図の絵がありますが。
 ただ気になった点が一つ、目の塗り方です。
 ちょっと違うんですよね。
 一般的には目は黒い部分が多いと思いますが、これ、少ないです。
 だから、違和感を感じるかと…俺は苦手。
 あと、気になったのはテキストと表情が合わない場面が多かったことかな。


<システム関連>

 ビジュアルアーツ系です。
 特に言うことは無いかと。


<音楽>

 ENERGYFIELDが音楽を担当しています。
 イイことはイイんですが…場面とそぐわない曲もあったように思えました。
 音楽自体はよかったんですけどね。
 主題歌の方は曲の方はかなりイイです。
 バイオリンの旋律がかなりイイ味をだしてように思えました。

 ただ、ボーカルの方が特別上手いとは思えなかったですね。
 初回版にはBGMと主題歌のフルVERのついたサントラCDが入ります。

 ちなみに、女性のメインキャラはボイスつき。


<キャラ紹介>

○玉依姫 CV:凉森ちさと
 記憶をなくした巫女。
 古風な雰囲気のメインヒロインです。
 他人にデミウルゴスの力を与える存在です。
 CVが凉森ちさとでALMAの十崎唯と同じですが、同じに聞こえません(笑)。
 攻略対象キャラ。


○息長風香(おきながふうか) CV:南菜実
 季節外れの転校生その1。
 玉依姫の外見に良く似た娘です。
 息長神社の巫女であり、息長の巫女としての生き方を強要され、琴や日舞などの習い事を仕込まれた存在です。
 体に似合わず大食いで主人公をはるかに上回る胃袋をもっていたり(笑)。
 攻略対象キャラ。


○斯波唯(しばゆい) CV:櫻レオナ
 主人公の最愛の義妹。
 例によって義妹とは知らされずに生きています。
 料理が上手く、世話好きであるという典型的な妹キャラですね。
 主人公の親友の氷上を心から信頼しています。
 ツインテール萌えの俺ですが、こいつはあまりきませんでした(笑)。
 攻略対象キャラ。


○イーリス CV:田中美智
 謎の修道女で、主人公を狙う。
 季節外れの転校生その2です。
 無愛想キャラです。
 ナイフを常に携帯しているという少々危ない方でもあります(笑)。
 玉依姫同様、ALMAとはまったく違った声で同じ声優とはおもえませんでした。
 攻略対象キャラ。


○斯波真理(しばまり) CV:佐々木あかり
 主人公の最強の母。
 ですが家事は唯にまかせきりという親です。
 たまにする料理は隠し味と称していれるありえない食材のために、家族恐れられています(笑)。
 声は普通な言葉をしゃべるALMAの円といった印象でした。
 攻略対象ではありません。


○大神冴子 CV:天天
 主人公の担当医。
 医者にあるまじき露出の高い服をきた方です。
 感情など、人間の心はすべて化学反応により起こるものと豪語している方です。
 選択肢によっては主人公、喰われます(笑)
 攻略対象ではありません。


<総評その1>

 CATWALKの処女作ですが、処女作にしてはいいです。
 パッケージに「巫女VS修道女!? 美少女ゲーム史上かつてない、新感覚アドベンチャー!」とありますがそうでもないような…
 事故により意識不明、それがきっかけで能力を身に付ける、ナイフを使う、能力により脳に負担をかけるという四点がある作品と被ってるため、新感覚ではないと。
 まぁ、その作品はノベルでしたけど。

 巫女VS修道女もイーリス攻略時のみだったような…
 玉依姫の扱いもシナリオによっては全然出番ナシとかありえたし。
 ちなみにダークな面はちょっちしかないですね。

 声優さんがALMAとけっこう被ってるなぁ…
 まぁ、同じとはいっても同じと感じさせない演技でしたけどね。
 この作品は姫、風香とイーリス、唯では物語がまったく違います。
 二人で一つの物語を保管しているような感じです。
 シナリオは内容としてはいいんですが…盛り上がりが欠けていたような気がします。
 終わった後に「あっ、終わったんだ」としか思えなかったんで。
 感動モノっぽい終わり方でしたが、感動にはほど遠いかったです。
 唯をクリアすればエピローグ1が、(多分)CGコンプすればエピローグ2が追加され、ある程度の疑問点については解消されると思います。


 シナリオ別の感想などです。
 ネタバレ多々とゆーか、本音多数  ツッコミどころけっこうあり。


 パッケージに色々とオカシナことかいてます。
 …この懐刀が失われるとこの国に大いなる災いが…ってそんなイベントありません。
 せいぜい息長の巫女が失われて日本が滅ぶくらいなもんです。
 謎の修道女も玉依姫、風香編ではまったく見ません。
 パッケージの巫女VS修道女に惹かれて買ったなら地雷ものかも(笑)。
 巫女VS修道女なんて1回くらいしかなかったはずです。

 何気に選択肢が少し厳しいかも。
 初回プレーは細かいトコを間違えたのか、風香onlyな選択肢えらんでもバッドエンドになりました。
 唯編以外で病院に忍び込むイベントが起きたらバッドエンド確定です。
 玉依姫編では選択肢を一個間違えてたらバッド行きになってました…やっぱシビアかもしんない。

 シナリオの練りは上手いが、起承転結の結の部分が薄っぺらな印象がある、そんな印象を受けましたね。
 しかしそれも処女作だから、と強引に納得しましょう(汗)。
 余談ですが、時折主人公がとばす、くだらなさ過ぎる親父ギャグが痛くて笑えます(笑)。


<玉依姫シナリオ>

 メインヒロインです。
 古風な雰囲気、清楚な物腰と、大和撫子系キャラですね。
 とりあえず、主人公にデミウルゴスの力を与えてしまった張本人です。
 デミウルゴスの力とは上記した他人の心を「斬る」力ですが、実際のとこ他人の精神を支配する力といったほうがいいかもですね。
 そしてこの力を使った人は、徐々に暴力的な感情に支配されるようになる…
 そのせいで主人公に犯られちゃったりもしますけどね。
 それにはっきり言ってこのシナリオ、デミウルゴスの力が違う力にかわっちゃってます。
 他人の心を斬る力が物理的な威力をもってるし…
 他人の心を斬る力でどうやったら首を折れるんでしょうネェ…

 エンドを終えた感想は…これで終わり? ですね、ホント。
 まぁ先読みができてたからでもありますけど。
 深みが足りず、残るものも少ないシナリオだと思いました。
 メインヒロインか…ほんとに?


<息長風香>

 息長の巫女として育てられた娘です。
 田舎にすんでたということで、都会に憧れており間違った知識を多数持っています。
 そしてこの人、前半は食ってばっかです。
 初デートでまずラーメン屋に入るイベントは今までで初めて見ました。
 ある意味「ON○〜○く季節へ〜」の七○ルートでクリスマスにあれを食べるイベントより衝撃的でした…
 この人のシナリオは玉依姫があまり出てきません。
 風香編の大元の展開は玉依姫編と同じです。

 感想としては、感動モノなのかな、これ? ですね。
 終わらせ方は感動モノでしたけど、深み全然たりません。
 とゆーか悲しくないです。
 あまり印象に残らない終わり方でした。
 まぁ予想通りといってしまえばそれまでですが。


<イーリス>

 謎の修道女です。
 とゆーか、この人のシナリオをしなければ巫女VS修道女もないし、主人公の命を狙ってきたりもしません
 イーリスシナリオ以外では学校でのイベントのみしか出番ないんで。
 この人は少々特殊で、玉依姫のことを感知できる人です。
 無表情キャラです、無愛想な男口調の。
 この人のシナリオは宗教的なこと、主にゾロアスター教がけっこう出ます。
 そして唯編と大元は同じです。
 こちら二人のシナリオでは主人公の正体を明かすシナリオですね。
 そしてイーリスの生い立ちみたいなものも話します。
 玉依姫の出番はありません。
 消えるときにあらわれるだけです。

 感想としては…正直つまらなかったです(苦笑)。
 とゆーか、主人公の見覚えのない教会をたてて、みんなに違和感をないように精神操作する…
 某ノベルの先輩ですか、あなたは?
 エンドも主人公の治療のために自分の所属する組織へとつれていく、だし…


<斯波唯>

 主人公の義妹です。
 そしてツインテールです!…すいません。
 まぁ、ツインテール萌えの俺だったのに萌えれませんでしたが(苦笑)。
 世話好き、ブラコン、家事万能と典型的な妹ですか。
 最近の妹キャラみたく特徴的な口癖がないです。
 ありきたりでキャラもよわいんですけどね。
 イーリスシナリオより主人公の正体に迫ったシナリオです。
 このシナリオが唯一、OPムービーにでる斯波真理の銃を乱射してる図がみれます。
 母は強し、ですね(笑)玉依姫の扱いはイーリスシナリオ同様です。

 感想としては、エンディングが納得いきません
 エンディングで今までの流れを台無しにしたといっても過言ではなかったり…
 「いや、これはないだろ」とツッコミました。
 それまでは流れが典型的なパターンでしたがいいとおもえたのに…
 あぁ、唯の一番初めのCGをみて一瞬、やめるか? &地雷か…? と思いました。
 構図の違和感がすごかった…
 ちなみに唯にのみ、力を使い奴隷? みたいにしてしまうという選択肢があります。
 もちろんBADENDで終わりますが。
 その選択肢は共通ルートにあります。


<総評その2>

 総評1のとおり、処女作にしてはイイ出来です。
 あくまで処女作と括ればですが。
 シナリオに無理なところがそうないし、物語としてはなかなか出来たほうですし。
 エンディングが薄っぺらなので、そこが良くなればいいかと。
 次回作に期待というのはこういう意味を含めていいました。
 自分にとって、ツボなキャラがいないのが痛い点でしたね。
 最後に、やはり一番気になるのは某ノベルと被ることでしょうか…(苦笑)


<最終評価>

 なんというか…美少女ゲーム史上いまだかつてないもの、ではなかったですね。
 でもこれからに期待できるような作品ではありました。

PS:某ノベルについて少々補足を。

 著者は、現時点では同人活動を終了し商業へと移行したみたいですけど、元が同人ネタだったんで「某ノベル」ということにさせてもらいました。
 まぁ、有名と思うので、ある程度予想できるかもしれませんが。
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