<ストーリー>
主人公(名前変更可)の通う虹陸学園は、校舎建替えの関係で文化祭を夏休みに行うことに急遽決定した。
その責任者・主人公の担任にして幼馴染の鞠原あずみに請われる形で、文化祭実行委員長となった主人公は同居人の鞠原千歩や悪友の圭介、自治会長の野々村孝美らと共に文化祭を成功に導く為学園を駈けずり回る事になる。
<システム>
環境については不満はありません。
既読スキップ、鑑賞モード等完備しており完成の域に達してます。
ゲームシステムは共通OP+6話構成となり、オープニング終了後攻略キャラ毎にシナリオがブロック状に分かれ、誰々の第一話→誰々の第二話という風に任意にストーリーを選択し進めていく訳です。
ただキャラ毎に落差があり、メインヒロイン格の千歩等はほぼ1話から6話まであるにもかかわらず、サブキャラの秋華などは1話と5、6話しかなく、その間は他のキャラのストーリーで暇を潰すという方法を取らなければならないのがつらかったです。
それと、このゲームのウリ? であるカードゲームですが、なんかイマイチぱっとしない印象をうけました。
なんせ1回プレイすると、反則級の強力カードがぼこぼこ手にはいり、序盤のパラメーター数値の1、2の差でやきもきする緊張感が消えちゃうのが痛いです。
また、依頼をこなしていくとポイントがたまり、文化祭で壁紙やカードが購入できるわけですが、はっきり言ってポイントたまり過ぎです。
カードや壁紙1枚がだいたい100ポイントである(しかも種類が少ない)のに比べ、1プレイで1000ポイントとか平気でたまるので全く有り難味がわきません。
本作は「F&Cファンクラブ」の会報の読者参加企画によってゲームジャンルやキャラ設定が決定したという、一種のFC03挙げてのお祭りディスクといってもいいです。
このため、至る所に「ナチュラル」や「パレット」、果ては「晴れのちときどき胸騒ぎ」等のキャラが登場します。
残念ですが、「ナチュラル2」のキャラはでてませんねー、「ゼロ」の鞠乃は出てますが…。
さて、このゲームはどちらかと言うと文化祭準備でのドタバタに重点を置いており、恋愛要素は二の次といった印象を受けました。
ただ先程言ったように、肝心のカードゲームがへぼの為にどっちつかずな状態になっちゃってます。
文化祭の描写は丁寧に描かれており、特に30人近い脇役の生徒のプロフィールがきちんと設定されているには驚きました。
またフルボイスなので、1人の声優さんが5,6人を使い分けしているのは中々見ものです。
それと、全キャラクリア後にプレイ可能なSPシナリオは抱腹絶倒ものでした。
これは主人公が記憶喪失になり、行く先々であうヒロイン達にカードを選択することで、主人公の妄想が展開されるという物。
大人しめのすももが女王様になったり、どう見ても年上の鈴子が禁断の妹になったりと傑作でした。
自分は全組み合わせを試して堪能しました。
SPシナリオに出てくるカードは自分が所持しているものを選ぶのではなく、あらかじめ画面上にでてくるものを選んで進めるんですよ。
でもこれだとますますカードゲームの存在意義が…
結論、FC03ファンなら買いでしょう。
新旧入り乱れてのシナリオはきっと満足できるはずです。
ただ、ファンでないと理解に苦しんだりする場所が多々あるのでそうでない方は見合わせた方がいいでしょう。
シナリオの出来はもろに差がでてますねー。
原画家さんの差を感じさせない塗りの技術はたいした物だと感心しました。
(アーク 様)
このタイトル、なんかやたらと原画さんが多いとか、シナリオ担当がどうとかという噂を聞いておりましたが、さて…
先の展開を、ある程度任意に選択できるというのが ちょっと面白いですね。
とてもめずらし…と書こうとして、ふと思い返してみると、しまった、これはF&Cのお家芸だったんですね。
「パレット」「ナチュラル2」などでも、似た様なシステムが採用されていました。
そういえば、他のメーカーでこれと似たようなシステムを採用しているものって、あんまり聞かないような気がしますね。
私が勉強不足なだけかもしれませんが。
メインヒロインのエピソード間に間が空くのはつらいですね。
これが、シナリオライター多数という状況の弊害だったのでしょう。
自分の経験上だと、これと似たものに「腐り姫」がありましたね。
あれも、各話(正確にはリピートプレイの数ですが)ごとに中心となるヒロインが変わり、場合によっては数回間を空けて、再び同じヒロインの話が始まったりしました。
こういうスタイルを取る場合、シナリオの整合性は当然として、それらをすべて続けて見た場合の違和感を取り去るための擦り合わせが必要になってくる。
これについては私も相当前に考えた事がありますが、はたして「カードゲーム」「カードバトル」という概念は、そこまで楽しめるものなんでしょうか?
なんとなくですが、こういうジャンルのゲームに付加されているカードゲームシステムって、「とりあえず付けてみました」という域を逸脱していないものばかりのような…
そもそも、カードゲームって結構複雑なルールとか判定とかを設定していかなければ楽しめないものだと思うんですが、そこまで練りこまれたものってほとんど見た記憶がありません。
うちの梨瀬の話だと、「殻の中の小鳥(DOSゲーですが)」だけはかなり秀逸なものに仕上がっていたと言いますが…
(後藤夕貴)
今回キャラデザの人がえーと、6人でシナリオは5人。
大所帯ですね〜。
この点からも十分にぎやかさが伺えます。
しかし、全てのデザイナーをバランス良く配置しようとしたため、逆にそれぞれが宙に浮いてしまったのかもしれません。
かといって、個々を単独にしてしまうとショートストーリーの集合体になっちゃいますし、難しいことに挑戦しているだなと思いますね。
ちょっとした疑問なんですが、この「虹の彼方に」ってF&CのHPでは情報が少ないんですね。
BOOは「F&C FC03」の実質的ソフトハウス、「ドリーム・ソフト」のHPに飛んで、詳しい紹介を見ましたが、何で飛び地かな〜?
よく大企業がが税金対策のために子会社を作るって話は聞いたことがあるけど…
バンプレストのように親(バンダイ)を食わんばかりの勢いを期待したい。
だいぶ前に本屋に体験版みたいな雑誌が並んでいたので、興味がある人はまずそれを見て下知識を得るのもいいかもしれません。
カードゲームはむしろトレーディングカードにした方がしっくりくるかもしれませんね。
その上で、メーカーへはがきなどで応募してゲーム中の似使われているカードをプレゼント! なんてやれたらおもしろかったかも。
…もっともカードに飛びつく人がどれくらいいるか解りませんが。
(Mr.BOO) |