マブラヴ メーカー:age
アーク 様
王児 様
後藤夕貴
 未完のアンリミテッド編を補完するであろう「マブラヴオルタネイティブ」は夏発売予定。
 というより超王道学園アドベンチャーと銘打っておきながらロボものの比重が高いとはどういうこっちゃ?


<ストーリー>

=エクストラ編(以下EX編)=
 白稜大付属柊学園3年生である主人公白銀武は幼馴染で世話焼きの鑑純夏やゲーセン仲間の鎧衣尊人と共に平凡ながらも楽しい学園生活を送っていた。
 秋が深まったある日、御剣冥夜と名乗る少女が転校生としてやってきたあげく武の家に住み着いてしまう。
 常時刀を持ち、ずれた言動をし、尚且つ武と絶対運命で結ばれていると思い込んでいる冥夜の存在によって武の周囲はあわただしく変化するのだった。


=アンリミテッド編(以下UL編)=
 冥夜が転校してきて2ヶ月。
 球技大会も無事終了し、平和な日々をおくっていた武はある朝目がさめて家の外に出てみると、なんと街は一面焼け野原、あちこちにロボットの残骸らしきものが転がっているの見て愕然とする。
 「こいつは夢だな」納得した武は街を探検し柊学園へ向かうが、そこは何やら基地のようなものが建っていた。
 門番に不審者としてしょっぴかれ営倉に叩き込まれる武。
 夢なら早く覚めろと毒づく武の前に見慣れたはずの物理教師、香月夕呼が立っていた。
 親しく話し掛ける武だが夕呼は初対面だという。
 そして基地の最高責任者である彼女から、この世界は元居た世界とよく似た別世界であり、BETAと呼ばれる宇宙人と戦争状態で、人類が劣勢であることを知らされる。
 居場所を失った武に、夕呼は元の世界に帰れるまでこの基地で働けと誘う。
 こうして、武は国連軍第11軍横浜基地で戦術機と呼ばれるロボットの訓練兵として生きることとなるのだった。


<システム>
 既読スキップやバックログ、前の選択肢に戻るといったプレイ中の機能から、サウンド、シーン鑑賞まで完備されていますが欲をいえばED鑑賞とキャラ別音声オンオフが欲しかったですね(中途半端に挿入される武の声がうっとーし過ぎ)
 また前作「君が望む永遠」同様演出にも力を入れてあり、驚いたときにはネガポジ反転したり、殴られた時には画面ごと横転したり、キャラの立ち絵を縦横無尽に動かしたり、寒い時には口から吐く息が白くなったりなど、非常に凝った作りになってます
 あ、前作の遙伝説のへたれ絵も健在ですよ。

 サウンドですが、さすがage文句なしに素晴らしいです
 自分もこの曲は気にってるんですが、それ以上に流れるタイミングや前奏、挿入されるCGの使い方が非常に上手いので何度きいても飽きません
 特に武役がキラ・ヤマトだったり鷹嘴役が子安武人、基地指令が若本規夫だったりと男優声優陣が豪華過ぎです(笑)

 サウンドはオマージュ作が多くてびっくりしました。
 送迎最速理論もそうですが「トップをねらえ」の曲が出てきました。
 一番びっくりしたのは決断を迫られるシーンで流れるNHKの「映像の世紀」で流れる「パリは燃えているか」ですね。


<登場人物(EX編)>


鑑純夏&御剣冥夜
 シナリオに共通部分が多く、最後の“どちらを選ぶかの選択肢”で結ばれる相手が決まるといっても過言ではないので、2人まとめてレビューします。
 要するに両人とも武の幼馴染(冥夜の方は武が忘れていたが)。
 純夏は世話焼き女房タイプ。
 冥夜は気高いお姫様タイプ(というよりまんま「星界の紋章」のラフィール)。
 そして、武に好意を抱いており三角関係になる、というのがストーリーの骨子ですね。
 前作みたいに、事故がなんたらや、オリンピックに行けなくなったとかのドロドロしたものはなく、純夏と冥夜はお互いが「ライバルであり親友」と認めあい、明るく話が進むので安心して見てられます。
 それ故、最後の選択肢における月詠の時というのは人を待ってはくれない。
 「たとえ準備が出来ていなくても決断をしなければならない時がある」という言葉はとても重みがありました。

 全編通していえるのは、前半の球技大会まで明るいギャグタッチでプレイヤーを引き込み、後半でトラブル等で物語を引き締めているので非常にバランスが取れていました。
 まあ、このことで前半にいい味をだしていた3ばかメイドや月詠の出番が減ってしまったのは残念ですが。
 余談ですが、冥夜とデートで「すかいてんぷる」に行く事を冥夜が嫌がりますが、これは冥夜と大空寺あゆ(まだウェイトレスやってんのか)が犬猿の仲だからだそうです。


珠緒壬姫
 通称タマ、ネコのような髪型、首につけられた鈴、しっぽ等猫のようなかっこで学校にくるクラスのマスコット的存在。
 弓道道場の娘で弓道の技術は相当のものだが極度のあがり症という欠点をもつ。
 球技大会が迫ったある、日壬姫は父と父のライバルの争いに巻き込まれてしまい、父のライバルの娘の翠子と道場の看板と父親の引退をかけて弓道勝負をする事となる。
 たまたまその場に居合わせた武は壬姫のあがり症を治すため特訓に付き合うのだった。

 うーん、的に矢を当てる事に慣れ弓道の精神を、「また負けても仕方が無い」と逃げる事で悔しさを忘れてしまった壬姫が武と共に成長するというシナリオのアイデア自体はいいんですけどね…
 いくら壬姫と翠子が弓道の達人であるといっても、当たり前のように的のど真ん中に当てたり、たった1週間の練習で武が的に矢をあてたりと「お前らニュータイプかい!!」と突っ込みをいれたくなってなるんですよね。
 おまけに道場の中でHするし、実は試合は壬姫の精神面を鍛える為のやらせでしたといったオチは勘弁してくれといいたいです。
 あ、声優さんはマスコットキャラご用達の北都南さんです。


彩峰慧
 武のクラスメイトで運動神経抜群で不思議系というより徹底したアナーキストで組織とか集団といった概念を嫌い授業にはほとんど出ず、屋上でボーとしてることが多い。
 このため委員長である千鶴とは犬猿の仲で顔をあわせれば喧嘩ばかりしている。
 千鶴との確執が原因で球技大会で女子ラクロスの相手チームの涼宮茜は怪我してしまい入院してしまう。
 チームの監督をしていた縁で武は慧とともに茜を見舞いに病院へ行く。
 幸いな事に茜は軽い脳震盪で検査入院だけですむとの事でホットする2人だったがそこに慧を呼び止める声があった。
 それが狭霧という若い医者のものだと分かった瞬間逃げ出す慧。
 残された武は狭霧から彼が過去に慧を裏切ってしまったという話を聞くのだった。

 ストーリー運びはいいんですけどね、。
 このルートで、彼女がなぜ組織といったものを嫌うようになったかが判明するんですが…。
 御多分にもれず、甘ったれというか周りが見えてないというか、確かに原因である看護婦の母親が病院から尻尾切りされたというつらい過去があるのは分かるが、だからといって周囲に迷惑をかけてもいいってもんじゃないっしょ。
 掃除をさぼるのはまだかわいいもので、球技大会では手前勝手な理屈をこねて無断欠席しようとしたり、千鶴ルートではせっかく事件が解決する方向に行ってるのに「教師の言葉づかいが気に入らない」といって反発して話をややこしくしたりと何かにつけて足をひっぱる
 特に球技大会では武の機転がなければ棄権になり、懸命にラクロスの練習に励んでいた純夏達を裏切る事になった。
 発端となった事件から少なくとも3年経っており、心に傷を負っていたとしても自分の行動が下手をすれば他人を過去の自分のようにしてしまう、という理解力を求めるのは酷な事なのだろうか?
 もっとも、ラストでは狭霧との誤解が解け幾分か明るくなったようなので、これからということで。
 余談だけど、声優さん、普段の慧の声を作りすぎてHシーンの喘ぎ声がほとんど別人になっちゃってるよ…


榊千鶴
 武のクラスメイトで学級委員長、非常にお堅い性格なため主人公とよく衝突し彩峰慧とは犬猿の仲である。
 廃部寸前のラクロス部の元部長でなんとか盛り立てようと努力する。
 前作キャラの涼宮茜とはクラスは違うものの、親友でもありライバルでもある。
 球技大会女子ラクロスの試合中に起こった事故(慧ルートと同じ)により学園のスターである涼宮茜を怪我させた張本人としてクラスメイトから壮絶ないじめを受ける。
 精神的に追い詰められた彼女はとうとう登校拒否になってしまう。

 なんというかもうお腹いっぱいなシナリオです。
 いや、いい意味で全キャラクターの内1番の完成度を誇ってるんじゃないですか?
 流れとしては、引きこもった千鶴をなんとか立ち直らせるため家を訪問する→千鶴は居らずだらけた(というより疲れた)母親登場→武、母親と茜から千鶴をよろしくと頼まれる→千鶴と会うも大喧嘩→業を煮やした茜がクラスに乗り込んで大演説→母親が倒れる→ホテルに連れ込まれそうになった千鶴を助け出す→公園で和解→母親命に別状無しでやれやれというところにこれまでの件で生活指導委員会に呼び出しを食らう、というように怒涛のように立て続けにイベントが起きるので、最後まで気が抜けませんでした。
 “大人とは、責任とは何か”というリアルな問題を取り扱ったのが好印象である反面、このシナリオでは武の欠点が前面に出てしまいました。
 この主人公、全編に渡って非常にアグレッシブで前向きなんですが、いかんせんガキっぽい所があるんですよね。
 それが顕著に出たのが呼び出しを食らうイベントで、進路指導員の師岡が事実確認しているだけなのに「教師達は千鶴を信じていない」と言ってキレるあたり、見てて見苦しい事この上ないです。
 確かに、同席していた生活指導教員はやや口が悪いかもと思うけど十分許容範囲だし(事実話せばきちんと理解してくれた)、師岡もよく我慢して冷静に話を進めたと感心せずにはいられないです。
 まあ、前作のへたれの孝之と比べたら1段も2段も上を行くキャラなんですけどね(笑)。
 ちなみに壬姫、慧、千鶴ルートでは結ばれなかった純夏と冥夜ときっちり話をつけているのがよかったですね。
 特に、冥夜は別れた後公園で泣いたであろうに、最後の送別会で「武を得る事はかなわなかったがここでお前達とであって得た事は何物にも変えがたい物だ」といって笑顔で帰っていくシーンは本当に綺麗に纏まってました。

忘れてました。
まあ、まりもに酒は飲ますなということで(笑)。


<アンリミテッド編>
 さて、そこかしこにエヴァやガンパレの影響が見られるUL編です。
 舞台は学園編のEX世界とは別の並列世界で、軍事用語や歴史関係の話題がバシバシ出るので好みが分かれると思います。
 自分はこういう架空戦記物は大好きですけどね。
 流れとしては、前半が1ヵ月後の総合戦闘評価技術演習に向けての軍事教練もの、後半が試験に受かって戦術機を操るロボものとなっており、シナリオは完全に一本道で途中の選択によって選ぶことのできるヒロインが決まります。
 前半はやや説教臭く感じますが、もともとUL世界の住人とEX世界の武とは価値観がことなり、武をUL世界に定着させるのに必要なので、仕方が無いでしょう。
 特にUL千鶴(以下UL世界の人物には頭にULを付けるとする)の「たとえ一番大切なものが自分の命であっても、自分だけじゃ守れないのよ」という言葉からよく分かります。
 また見所として、UL世界では30年以上も戦争が続いており、文化や娯楽の形態がストップしている点ですね。
 自由時間に仲間で遊ぶ娯楽がおはじき、あやとり、剣玉であったり、武がもってきた携帯ゲームのゲームガイ(笑)を見て武をスパイだと勘違いしたり(しかもその後ヒロインがゲームガイにハマリまくるし)、アニメのことをテレビ漫画といったり、クリスマスの事を知らなかったり(食堂のおばちゃんに至ってはバレンタインデーと混同する始末)とカルチャーギャップがよく表現されているのが興味深かったです。
 自分が一番笑ったのは戦術機を格ゲーのノリで操縦する武ですね。
 ジャンプキャンセルや先行入力なんかやったら誰でも驚くよ。

 さて、このようにキャラの心情の変化やシナリオ運びが上手いものの、欠点もいくつかあります。

 まず一つ目の欠点。
 主人公達がBETAと直接戦うシーンが全く無いこと
 いくら敵が強いといってもこれは寂しすぎるよ。
 前半の教練はしかたないとして、後半の戦術機で出動したのは訓練と暴走したシャトルを打ち落とす(エヴァのヤシマ作戦そっくり)のと国連救助活動ぐらいなんですね。
 1回ぐらい敵と戦うシーンがあってもと感じました。

 2つ目の欠点。
 根本的な謎が解決されてないこと。
 何故武はこの世界に転移してきたのか?
 UL月詠が武を見て何故あれほどまでに睨んだのか?
 帝国軍第90部隊とUL夕呼の関連性、オルタネイティブ4と武達衛士訓練生との関連性、霞が居る部屋にあるシリンダーにいれられた脳と脊髄はいったい誰の物か(他サイトでもUL武のものだとか、武以前に飛ばされた純夏のものだとかの話題で盛り上がってた)?
 社霞の正体は何か、UL世界にEX世界にいる純夏と対応する人物が居ないのか?
 ざっと挙げてもこれだけある。
 このうち、霞の正体は劇中の描写から純夏と何らかの関係があると見て間違いないだろう。
 UL世界にあるはずのないゲームガイのことを知っていたり、武の誕生日をしってたり、朝純夏が起床ベルがなる前に起こしに来るのと同様の行動を取ったり、決定的なのがラストのシリンダーにすがりつきながら「タケルちゃんには分からない!!」と叫ぶシーンでしょう。
 自分の結論としては霞はエヴァにおける「三番目の綾波レイ」だと思っています。
 あの脳が武か純夏のものかは分からないが、記憶の源というより、存在の依代としているものから離れるのを嫌がったのではないだろうか。
 霞自体はからっぽの存在だが、時折流れてくる純夏の記憶が霞にあのような行動をとらせているのではないだろうかと思う。

 3つ目の欠点。
 EDがバッドにしか見えない、というか中途半端。
 一応EDは19個あるが、皆幸せなトゥルーエンドはありません(おそらくオルタネイティブがトゥルー?)
 要するに、人類の劣勢を覆す為にUL夕子が進めていた計画「オルタネイティブ4(作中の描写から手の平サイズの150億個の半導体を使ってUL世界の人間又はBETAを異世界に飛ばすものと思われる)」が失敗し、十数万人が地球型惑星(5、9光年先のバーナード星系)に移住&大陸での反攻にでる「オルタネイティブ5」が発動。
 武は移住船のADをヒロインに渡そうとして共に残ろうとするヒロインともめ、ここでの2択によってヒロインと共に地球に残るかヒロインを説得して安全な星に移住させるかの結果になるわけですが、前者は「さあ、これからだ」というところでEDで、後者は「数年後移住先で、ヒロインが武との間に生まれた娘と共に地球を見上げて終わり」という非常に後味の悪いEDなんです(UL冥夜のEDは少しはましだが)。

 上記の欠点の存在が、「UL編が次回作『オルタネイティブ』の体験版」といわれる所以です(CD2枚使う体験版もすごいが)
 ただこれらの欠点は、次回作で補完されるであろうからまだ安心ですが、どうしてもフォローの聞かない欠点があります。
 それが4番目の欠点、設定の甘さとちぐはぐさなんですね。

 UL編は、プレイしてみれば分かる事ですが、コミカルなシーンやギャグが織り交ぜられているものの根底はれっきとしたSFです。
 SFというのはいかに無茶な設定(ワープとかの技術系から架空年表等の歴史系)を読者に納得させるかが鍵ですがUL編の場合、突っ込み所多すぎです
 まず、女性用のパイロットスーツがなぜあんな露出度が高いのかさっぱり分からない。
 反面、武が着ている男性用はいたって普通のものなので、あんなサランラップみたいなスーツにする必要は全く無い。
 作中でもあるように、戦術機は戦闘だけでなく住民避難の誘導等の災害救助にも使われています。
 不法居住している住民を説得する時、皇族であるUL冥夜がいたため老婆が恐縮してしまい表には出なかったけど、明らかに作戦遂行上問題があるぞ。

 次にBETAとの戦争にいたるまでの経緯の説明がだ、これも内容がぶっ飛びすぎ。
 明らかに技術の進歩が不自然すぎます。
 序盤でのUL夕子からの説明によると1941年にはじまった大東亜戦争は1944年に終結、日本は負けたものの原爆も落とされず無条件降伏せず(このため国名は「日本帝国」だし大東亜戦争という呼称が残っている)、アメリカにも占領されていない。
 1958年火星に探査船ヴァイキング1号を送り込み生物らしきものの画像をえる→1968年月面恒久探査基地の探査チームがBETAと接触、戦闘に→1973年BETAの地球侵攻に伴い国連宇宙総軍が月面基地「プラトー1」から撤退、と言う風に宇宙軍だの恒久基地だのといった凄すぎる物がでて来ます。
 「架空の歴史の技術なんだから突っ込んでも仕方が無い」とおっしゃる方もいるでしょう。
 確かにUL世界がEX世界とは完全に別の歴史を歩んでいるのなら、こういう突っ込みはナンセンスだと思います。
 現にUL世界では、江戸幕府の大政奉還が上手く行き明治維新が起こらず、首都は京都のままだった(1988年にBETAにより陥落したが)。
 しかし座学で、ULまりも軍曹が「一次世界大戦で飛行機が登場し、真珠湾攻撃で航空機による制空権という概念が成立した」と述べている事から技術、少なくとも航空、航宙関係の進歩スピードはEX世界と同じとみて差し支え無いと見ていいです。
 いくら大戦が44年で終わってヨーロッパの荒廃がましだったと言っても、20年強で月面基地だの宇宙軍だのはやりすぎだぞ
 シナリオにとって重要なのは、宇宙に出た人類がBETAと遭遇し、地球に侵攻される間に対BETA用兵器を開発するということだけなのだから、現実と同じように1969年アポロ11号の月面着陸と同時に遭遇したとしても何の不自然もないはずです。
 逆に戦術機やG弾、1200MM超水平線砲といった兵器はBETAが侵攻して来た後の産物、つまりEX世界とは全く別の歴史をたどった末に出来た代物なので何の問題もないと考えます。

 また、シナリオライターが複数いることの弊害らしきものも出ています
 例えばUL千鶴が「25,6年前(舞台が2001年なので1976年)というと中ソ連合軍が焦土戦術をしていた頃ね」と言っているが、序盤に出てきた勢力図では74年の時点でユーラシア大陸とヨーロッパはインド、ドイツ、スペイン、スカンジナビア半島残して全滅しており矛盾します(もっともこれは勢力図の年号の方が誤りのようです)。
 他にも1998年の本州侵攻の説明で使われた地図の表示が1988年だったりと細かいミスが目立っているのも欠点ですね。


<総評>
 発売日が1年近く延びたり、ソフ倫を脱退してみたりと何かと話題に事欠かないマブラヴのレビューです。
 あ、ソフ倫脱退といってもやばいシーンが有るわけではないのでご安心を。
 どうやらソフ倫の審査を入れると発売日に間に合わないとの理由で、急遽メディア倫理機構で審査したとの説が有力ですが、ま、真相は闇の中ということで。
 いやー、店の外まで行列作って並んで購入したのは本作が初めてだったりします。
 さて本作はCD5枚組みで5枚目はCD−DA用(一説には次回作オルタネイティブ編の認証用だとか)で、まず初回プレイで1,2枚目をインストールします。
 これが学園編(EX編)となり、純夏、冥夜EDを見るとOP画面が変化し(ここで純夏が消えるのが意味深)UL編が選択できるようになり3,4枚目をインストールすることになります。
 ここで気付くかと思いますが、HDD3ギガ使うので覚悟が要ります。

 で、プレイした感想、「ジャンルが超王道学園ADVというのは嘘だろう?」
 どう見てもロボもののUL編のほうが力入れてあるぞ
 OPからして、止め絵ばかりのEX編と比べて全部アニメだし、戦術機のデザインから演出まで気合入りまくりだし。
 もしかして、発売日が延びたのはUL編を凝り過ぎた為なのではないか? と勘ぐってしまうほどです。
 ボリュームとしてはEX編:UL編=1:2ぐらいでしょうか。
 まあどちらとも、それぞれとても丁寧に作ってあり面白かったのが救いでしたが。
 また、前作「君が望む永遠」と世界観が同じ(時間軸からすれば前作2章から1年後)なので、涼宮茜や「すかいてんぷる」が登場したり、香月モトコの妹夕呼が登場したりと前作ファンには嬉しい限りです。
 それとあちこちに散りばめられたパロディも爆笑ものでした。
 「カイジ」の「ざわ…」や「イニシャルD」の送迎(峠)最速理論(笑)等、 あの凝りようは凄かったです。
 今でも何回も見なおして笑ってます。
 おかげで頭の中で「ナイツオブファイア」がかかりっぱなしに…

 発売直後から一部で地雷との声が挙がってましたが、おそらくメーカーが「君が望む永遠と対をなす大作」と宣伝したのが原因で1本の作品として見れば良作以上秀作未満だと思い、新作を買う価値は十分あると思います。
 ただ品薄なので、我慢できる方は「オルタネイティブ編」が出てから一緒に購入したほうがいいです。

追伸:
 EX編をプレイしてて気付いたのですがどうもUL世界の夕呼や武がEX世界に干渉をかけている形跡がちらほらと見受けられるんですよね。
このへんも次回作で解明されるんでしょうか。

(アーク 様)
<シナリオ>
 別段凄いというわけではないですが、良作の部類に入るでしょう。
 テキストも高水準にまとまっていて読みごたえがあります。
 超王道、と銘打ってる通り、設定もありきたりで話自体普通ですが、なんかこう昔はやった漫画を読み返すような面白さがありますね。
 アンリミテッド編も、なんかパラレルワールドみたいなとこに飛ばされてしまうというお話で、その手のはなしとしては王道をいってます。
 お約束の不思議ちゃんもいますし(笑)。
 余談ですが、鷹嘴ネタはかなり爆笑しました。
 送迎最速理論ってなんじゃい。
 ってゆうかそれらしい音楽まで作らなくていい!(笑)。
 ビジュアルもそっくりでびっくりしたわ!(素
 凝ってましたね〜
 FCが出てこなかったのが心残りで仕方ないくらいに(笑
 今更、アニメ版「頭文字D」を見直す馬鹿ひとり…


<システム>
 さすがに隙がないですね。
 高性能。
 バックログやらなにやらほとんどあります。
 でもHDDに10%以上余裕がないと不安定になるって…
 標準インストールで2.5Gもあるのに…
 うう…容量…・(泣


<音楽>
 曲自体はいいのですが、これだけの話にしては数が少ない。
 使いまわしが多くて、「もう聴き飽きた」と何度も思いました
 まぁ曲自体が優秀で、インパクトあったというのもありますが、正直、今の倍は欲しかったですね。


<H&CG>
 CGは美麗で、なかなか芸が細かいです。
 Studio e・goみたく瞬きとかはしないんですけどね(てゆうか要らないそんなの)。
 とりあえずキャラの表情が多くてCGの枚数も多い。
 CD4枚分のボリュームは十分にありました(五枚目は音楽データのみ)。

 Hはまぁこんなもんでしょう。
 シナリオ重視の話でこれ以上求めないです。
 話自体もよかったし…
 ただですね…
 冥夜のフェラをめちゃくちゃ期待してたのは内緒です。


<総評>
 100点満点でいうなら、80〜90点くらいは問題なくあげれます。
 さすがに完成度が高かった。
 アンリミテッド編が中途半端でしたが、「オルタネイティブ」なるものが出るみたいですし、正直これ以上やられたらフルコンプは泣けます

 ちなみにお気に入りは冥夜
 もっと攻撃的な性格だと思ってたんですが、プレイしてみたらまさしく「姫」。
 めちゃくちゃ気に入りましたよ(笑)

 あと、補足になりますが、神宮寺まりもも攻略可です。

(王児 様)
心が揺れ動くたーびー、街も人も言ー葉もー、違う色にーなーるー♪

 元々私がこのタイトルをやりたいと思ったきっかけが、冒頭にも書かれている主題歌「マブラヴ」のSCDを購入したからなんですよね。
 エロゲの主題歌の中でもっとも気に入ってしまったこの曲、いまだに一日数回は聴いています
 で、これの発売がたしか昨年の02/4/23。
 もうすぐ1年が経とうとしているわけです。

 さて、「マブラヴ」のソフ倫脱退を巡るやりとりは、本レビューの時に詳しく触れたいと思いますが、一部の有力な噂は「君が望む永遠」回収騒動にあったといわれています。
 このタイトル、ソフ倫を普通に通ったにも関わらず、とある致命的な問題が発覚したために回収騒動となり、それによってアージュ側の「ソフ倫に対する信用度」が失墜した…のではないかと言われています。

 もちろん断定はできませんが、その上に更に何かがあったという推測は、いやがうえにもしてしまうというのが人情です。

 ともあれ、ソフ倫のチェックミスによって「君望」が回収…つまり予想外の大出費を余儀なくされたわけですから、心中穏やかじゃないというのは納得できるところでしょう。

 ちなみに「君望」の初回版、ヤフオクなどでは1万数千円単位でやりとりされていますが…これの回収理由は、どうやら「未修正のHシーン画像がそのまんま入っていた」という事らしいです。
 しかも、そこに辿り着くのも比較的容易という話で…まったくこまったもんです(笑)。

(後藤夕貴)
戻りマース