<ストーリー>
主人公・須藤貴志は、単位取得のために巫女伝承を調べる為と、高校時代旧友達との同窓会のために尾上島にやってくる。
早く到着した貴志と友人の高田勇と高校時代の恩師、神尾葵と共に島の探索に出かけるも、偶然発見した神社の鏡を誤って割ってしまう。
その瞬間、貴志の意識は遠のき、朦朧とする中不思議な巫女装束を着た少女を目撃する。
その後、何事もなかったように後発の仲間達が島を訪れ、ドンちゃん騒ぎに突入して時を忘れる貴志達。
しかしその裏で、この島に古くから恨みを抱いていた巫女が復活していようとは誰も知る由が無かった。
<システム>
既読スキップ、シーン鑑賞、音楽鑑賞といったいわゆる3種の神器は完備しています。
また、常時セーブやウィンドウのフル化も自由なのでほぼ不満点は無いでしょう。
ただゲームの性質上、移動するためのクリックが多くなる為スキップしてる気にはならないかも。
このソフトは多くのソフトが発売された1月24日、パソパラ誌上での大型伝奇陵辱アドベンチャーの謳い文句とCGにつられ「木漏れ日の並木町」と共に購入したものです。
本来なら11月発売予定だったのが、2ヶ月延期ということでどれほどクオリティアップアップしたのかと期待したのですが…
まあスケジュールが合わなかっただけですね、これは。
ゲームの内容は、復活した巫女の力が最大になる次の新月までに、仲間と共に封印する手立てを探すというものです。
その過程で、主人公たちの前世や尾上島の真相、何故巫女が封印され恨みを抱くに至ったかが明らかにされていきます。
そして、新月までの1ヶ月間(実質的には26、7日間)で誰と共に行動したか、アイテムの取得状況によって最終的にバッドEDかハッピーEDかに分かれます。
しかし、プレイしてみると分かりますが、26日行動出来るにもかかわらず、やる事・行く事が多すぎて結構きついです。
と、詳細の前に登場人物を紹介しておきましょうか。
<登場人物>
○太一
主人公の前世。
元凶その1、御多分にもれずモテまくり、このことが全ての引き金になっています。
いや、もてるのはいいんですけどね、鈍感過ぎて周囲の感情が見えないあまり、嫉妬した女性達が恋人の巫女・瑠璃を陵辱した挙句自殺させ、本人も村人に殺害される等目も当てられません。
○高田勇
主人公の親友。
神社の鏡を割った元凶その2。
登場してすぐさま巫女に拉致られ最後まで出番が無く、葵ルートでは憧れの神尾葵を主人公に持っていかれるという悲惨さです。
また、設定では前世の立ち絵まであるにもかかわらず、出てきたのは下半身のみ(おまけに名前まで出てこない)と現世・前世ともに貧乏くじを引きまくってます。
○神尾葵
主人公達の高校時代の担任で唯一尾上島の出身。
前世では瑠璃の前代の月読みの巫女で太一を誘惑するも受け入れられず、その恋人の瑠璃を殺害後封印しようと計画した人物。
何と言うか、彼女と結ばれるシナリオは一番とってつけたようです。
生徒と教師が結ばれることは無いとは言いませんが、確率の低い事にはそれなりのシナリオをもってこなくては納得いきません。
また、探索に重きをおいているため不自然さがぬぐえません。
○橘 結衣
主人公の元恋人で、あることから疎遠になってしまう。
前世でも太一のことが好きで、瑠璃に嫉妬し村人に襲わせる。
彼女のシナリオが一番しっくり来るかな?
○笹塚暁
野郎です、攻略可です(HCGなし)!
前世でも太一のことが好きで瑠璃の封印に一役かってます。
しかし…最近こういうのはやってるんですか? エロゲーの中に1輪咲くヤオイというのが(笑)。
○麻生玲奈
高校時代、主人公と喧嘩ばかりしていたが基本的に仲はいい。
潤子の親友で女優志望。
前世では慰み物となる下級巫女で、陵辱されそうになった所を太一に助けられ、やっぱりホレてしまう。
○長谷川潤子
高校時代から主人公が好きだったが、内向的で言い出せなでいる玲奈の親友。
前世でも太一のことが好きだが告白する勇気が無く、代わりに瑠璃を封印する手伝いをする等、見てて一番うっとしい人。
○須藤るり
主人公の妹…ですが見事にやられました!!
だって何の違和感無く紛れ込んでるんだもん。
発売前からHCGが発表されていたので義理関係かとは思っていたんですが…
名前の通り、前世での太一の恋人・瑠璃の一部で、鏡に封印されていた者。
島を憎む自分の一部を説得するため主人公に助力してくれます。
彼女の存在が攻略上一番曲者でした。
他のヒロインの攻略途中でも、何回かるりの元を訪れ正体を見破らないと、最後に巫女の怒りを買って触手プレイでバッドEDになります。
自分はここで詰まり、またもネットのお世話に…。
以上登場人物でしたが何というかすごいですね…七角関係ですか? 太一。
以前何かの雑誌で、
ふられた男→ふった女を憎む
ふられた女→ふった男の恋人を憎む
という図式が載ってたのを見たんですがまんまです。
さてゲーム進行ですが、非常に忙しいです。
村の図書館に行き、行動範囲を広げ、ヒロインのイベントをこなしつつ、鍵となる勾玉を探し、るりの正体を見破り行っていないところを訪れ…と余裕がありません。
行き先の順番を間違えただけでフラグが潰れたり、最後までバッドかハッピーか分からなかったりと難儀です。
そして、シナリオよりエロに重視を置いてるわけですが…
うーん、CGは文句ないんですが、テキストが喘いでるばかり+短いので飽きてきます。
これさえ何とかなれば文句はでないんですけどねー。
結論、良作になり損ねた凡作。
追加シナリオに期待ということで。
(アーク 様)
うたい文句もそうですが、やはり原画の大橋薫が注目の要因に見えます。
売れっ子ではないにせよ、それなりに有名な方ですし。
あちこちで微妙にエッチをちりばめた漫画を描いている割に、エロ漫画としての一線を超えないなと思っていたんですが、密かにPCの仕事でエロを引き受けていた(笑)。
しかし、原画は2年も前から依頼されていたというのに発売日直前の延期。
中には原画を描くだけ描いて出来たと思ったら企画が消えた…なんてケースもあるだけに、少しのずれならかわいいものですが、ずれた甲斐があったと言えないのは少々残念。
主人公唯一? の味方は身内のるり。
妹の重要性って高いです(笑)。
名前が意図的なのはこのゲームのキーポイントだからでしょうが、別に妹にその任を負わせなくても…
例えば、常に主人公への助力や手助けが出来れば、名前が違ったり、身内でなくても「もしかして生まれ変わりの一部が彼女に…?」 というパターンがあるでしょうに。
やっぱり妹がいいんですかねぇ…(笑)。
テキストに興ざめしながらHを見るよりは、CGギャラリーで楽しんだ方がベターでしょう。
これに声が入っても付け焼刃に過ぎないみたいですね。
追加シナリオがありなら、キャラが増えるとか、あるいは本編のドロドロとは違い、どたばたが展開されるような軽快なシナリオがあったりすると、味があって面白そうなんですけど。
(Mr.Boo) |