ゆうれいは同居人!?
A・A・A(アイ・アクメ・アニメ)第二弾!
今度は耐えられるか柏木悠里!
1.メーカー名:ainos
2.ジャンル:ドラマティック・アニメーションAVG(メーカー談)
3.ストーリー完成度:C+E=D
4.H度:A
5.オススメ度:D
6.攻略難易度:D
7.その他:わははははははは! この私がエロいだけのゲームにこんな評価を与えるとは!
(ストーリー)
主人公:達也はちょっと変わった会社の開発部員。
ある日、仕事を終えて社員寮に帰ると、そこには女子高生の幽霊・あかねが居た。
「研修期間みたいな物だから置いて欲しい」というあかねの話に同情した達也は、同居を許可。
ところが、あかねはやたらと達也にまとわりつき、会社にまで顔を出す始末。
つきまとわれる心当たりが無い達也は、当惑する。
その上あかねが来た事で、隣人の蒲田香津美・上司の羽田冴子・同僚の美月まい
との関係も変わっていきそうな…?
お正月のエルトリア君:「柏木さん、お年玉をお持ちしましたよ!」
柏木:「お年玉は年下の人間から年上の人間に渡すものではないし、大体予想がつくからいらない」
エルトリア:「まあそう言わないで下さいよ。せっかくボーナスから大枚をはたいて買ったんです」
柏木:「エル君、いい事を教えてやろう。そのプレゼント癖を“30近い既婚の友人”ではなくて“20代前半・自分好みのオンナノコ”に発揮するのだ! そうすれば彼女Getは楽勝だ(かなりマジ)」
エルトリア:「そんな事言ってごまかそうったってそうはいきません! はい、『ゆうれいは同居人!?』 頑張って下さい!!」
柏木;「ひいぃぃーっ、やっぱりィー(号泣)!」
そんな訳で『ゆうれいは同居人!?』です。
以前『ぽこぽこ軍将』で私を旅に駆り立てたメーカー、ainosの作品です。
…が、実は不思議とそんなに嫌な感じはしませんでした。
私の“このゲームは案外大丈夫なんじゃないか?”という勘は意外と当たります。
もっとも、『ぽこぽこ軍将』に比べればだいぶマシだろう…程度のモノでしたが。
さて、やりはじめるとやはりアラだらけです。
主人公・達也は、足があって触れる事が可能な、およそ幽霊らしくない幽霊を平気で居候させる主体性の無い人物。でもモテモテ。
またその隣人で、達也の押し掛け女房・香津美もちょっと変。
いくらなんでも、ただの隣人にしてはやりすぎです。
それに主人公の勤め先は総務がリストラで一人しか残っていない位ピンチなのに、派遣社員にエレベーターガールをやらせているナゾの会社です。
あれ? 第一その派遣社員て香津美?
…て事はこの会社、派遣社員に社員寮提供してんの?
さすが“バイ○レーター”と“除霊アイテム”を開発している会社だけに、訳がわかりません。
最初「この世界では幽霊が当たり前に居るから除霊アイテム開発が商売になるのかな?」と好意的に解釈していましたが、あかねを見て驚いている人が居る限り、そういう訳でもないようです。
だんだん自分の勘に自信が無くなってきましたよ、私。
ううっ、「ギャグなんだから適当でも許されるだろー」というのがミエミエです。
ギャグでも、もう少し説明が欲しい所です。
個人的には、一部が欠けたぶどうマークのパソコンなんかはいいセンスだと思いますが。
こんなんではAVGの体裁を整えていたって、ある程度適当に選択肢を選んでいれば隣人の香津美とHした後、幽霊のあかねともやっちゃって、美人課長&ロリ同僚まいにも強引に迫られてSEX三昧というのが、透けて見えてくるじゃないスカー!
そろそろ旅に出るべきでしょうか。
…と思っていたのですが、今、評論対象のゲームこれしか持ってないんだよな。
仕方ないから、ちょこっと変わったキャラデザの香津美サンから狙ってみますか。
このぽってりした唇の美人ていうのは、珍しいし面白いやね。
どうせ展開に大した差はなかろうけど、一応香津美の気を引けそうな選択肢だけを選んでやっていると…。
あれ? あれだけ主体性が無く感じられた達也が、あかねに面白い事を言うではありませんか。
「いきなり出てきた幽霊に告白されて喜んだりしない」
「同居しているだけで好きになったりしない」
おや?
主体性が無いと思っていた達也クン、意外とまとも?
と云う訳で、気を取り直して攻略し続ける事に致しました。
何、このドタバタED…と思いきや、おやおや、ちゃんとしたEDテロップが出ない。
ああっ、CGも回収しきれてない。
ま、まさかもう一つEDが?
半信半疑ながら、もう一度同じ方向性でやり直し。
どうも途中であかねの味方をしたのが良くなかったみたいです。
おおーっ、何と歌付きEDですよ…へえ。
意外にもちゃんとマルチED、それもバッドとトゥルーがあるんですか。
これはナメてかかり過ぎていたかも、と思いましたね。
選択肢が少ないのでやり直しは容易ですが、ちっとは考えさせてくれます。
次にあかねを攻略。
あれ、ここでも達也クン、かなり普通です。
しかも中途半端にどっちつかずの態度を取っていると、どっちつかずのバッドEDになってしまうじゃないですか。
別に、あかねと香津美は優柔不断に両方とHに突入しても話は繋がりそうなのに、そうしないなんてちょっと感心。
ここで問題発生。
攻略したはずの香津美のCGが、回想モードから消えてしまうバグ有り。
あう、修正ファイルあるかな?
個人的には「この程度の長さの作品に手間かけさせんな」気分でメーカーサイトへ。
修正ファイルダウンロード完了。
てな訳で、この分減点。
次にまい。
こ、これは…。
このシナリオが、一番最初に予想していた展開に近いかもしれません。
でもまい以外のキャラとは、アレ(とんでもない人物)以外H無いんだ…。
ま、いわゆる不思議ちゃんのまいの扱いなんてこんな物でしょう。
とはいえ、ギャグが主体の話なのにあんまり笑えなかったのはいかがなモノか。
せいぜい「あれ? サービスカットとかは?」「ないんです」がベタながら面白かった位かな。
あ、いうまでもなくまいシナリオがE評価でございます。
最後に冴子シナリオ。
ああ、これはこう来ましたか展開。
この話の中では、おそらく香津美ともそーゆー事をしていないとおかしいのですが、直接は描写されませんでした。
ただ、冴子シナリオではあかねの存在意義が全く無いので、このゲームのシナリオとしてはどうか? と思います。
余談ながら昔「紫陽花ってやらしいよなー」という事を誰かに言われた事がありましたが、意味不明でした。
このシナリオで謎が解けて、少しだけサッパリしました。
正直、非常に意外だったのが…狙ったキャラを攻略する為にはそのキャラ以外の女性に興味を持ってはいけないという所と、攻略対象のキャラ以外とはHシーンが無い(まいのアレは例外)点。
これはかなり評価できます。
純愛をうたっておきながら、さりげに何人かと理由も無くHしてしまう凡百の主人公に見習って欲しいです。
それと、そんなエロく見せるのが難しい状況なのに、シチェーションとアニメの動きだけでこっちを赤面逃亡(いや、何回かマジでディスプレイの電源を落とした…)させる程のHシーンが…。
いつもなら「どーせウチのサイトの方針とは異なるし、Hシーンの評価なんて話にからんでるか、ムカつく勘違いが無けりゃどーでもいいや」てなもんですが、今回は手放しで誉めさせていただきます。
ハードな陵辱や複数プレイがなくとも、これだけ描写できるとは素晴らしい。
私がプレイしたゲームで、H度にAを付けたのは初めてです。
いや、突っ込み所はありますよ、例えば処女の子が簡単にイっちゃうとかは不自然ですが、まあその辺は大目に見ましょうか。
…ま、前回がひどかったからの高評価かもしれませんけども。
先述の通り、設定はアラだらけですし。
でも、けっこう好感触(←なお、元締には悟りを開いたのかと言われました)。
以下、総評にはネタばれ有です。ご注意下さい。
(総評)
最近やたらと“感動”をウリにするエロゲーが増えました。
一時期の“陵辱モノ”or“純愛モノ”のどちらかしか無い状況よりはマシかもしれませんが、やはりエロゲー特有の自由度・カオス度は減ってきている気がします。
そして“感動”をウリにするゲームは概して長く、複雑なシナリオを軸にしている事が多いようです。
自分が押しているゲームもシリアス系ですし、そういうゲームもアリだと思いますが、実はそれって何かが違うんじゃないか? とも思っていました。
娯楽であるはずのゲームに哲学的な思慮深さを求められるのも、たまにはいいでしょう。
ですが、エロゲーみんながみんな複雑で感動させる内容である必要性は無いはずです。
このゲームは短いです。簡単です。
泣けるようなシーンはありません。
寂しくなる様なシーンはありますが、ありがちなので別にすごく感動もしませんでした。
なので、「エロゲーは意外な掘り出し物があるからやってるんだ」という人にはお勧めしません。
どちらかというと「ゲーム好きだし、Hなゲームらなおさらいい」という人向けです。
本来、自分は後者のようなゲームに高得点を与えません。
ですが、このゲームは修正ファイルの必要さえなければオススメ度はCにしても良いと思っています。
C評価はこの手の「エロが描きたかったんだー!」的ゲームに対しては、個人的最高評価と言っても過言ではありません。
描きたい所がハッキリしている点や、先述の通り、エロ重視ゲームにしてはHシーンに「何だこりゃ」的な陵辱や複数プレイ等を持ち込まなかった事と、まあまあシナリオがまとまっている点等を評価しています。
それに加えて、あかねシナリオであかねが達也を好きになったきっかけを達也が覚えていない所がいい。
あかねはちょっとだけ達也に助けられているのですが、あまりにもささいな出来事なので、達也が記憶にとどめていないのがリアル。
うかつに思い出されても「そんな程度の事で人の顔覚えるか〜?」って感じなので、かえって良かったです。
同じ電車に乗り合わせているだけで、挨拶を交わした事は無く、あかねの方は達也をずっと見ていたのに、達也は気にも掛けていないという所がいかにもありそう。
“幽霊はこの世に未練があるから出てくるのであって、望みがかなえられれば(達也と恋仲になる)消えてしまう”という設定もまともで好き。
…ただ残念なのは、ハッピーEDであかねが戻ってきてしまう事で、彼女に三度目の死の可能性が出てきてしまった所。
彼女は、あのまま消えてしまった方が良かったと思うんですが。
そうそう、以前はスリーエーどころかツーエーにも達していないよ! という感じでしたが、このゲームには“アイ”も微妙にあったので、A・A・Aを認めても良いです。
でももっと最初の“アイ”部分に力を注いでくれれば、感動(難しすぎない)+エロエロという両立の難しいゲームが作れそうな気がします。
さて、次回作に期た…
…『ぽこぽこ軍将2』ーーーーっ!!!!
ありゃ、頑張って下さい、って書く気が失せたよ、困ったね。
(柏木悠里)