トゥインクルレビュー
 
 孤島で頑張る、未来のアイドル達。
 明日の芸能界を背負うのは誰だ?
 
1.メーカー名:F&C(FAILYTALE)
2.ジャンル:ADV
3.ストーリー完成度:D’
4.H度:C
5.オススメ度:C
6.攻略難易度:B
7.その他:主題歌フルコーラス入りのオマケ付きが後から出るってのは、卑怯だと思ふ。
 
(ストーリー)
 芸能プロでマネージャーを務める主人公は、ある日、社長からとんでもない命令をされてしまった。
 南海の孤島にあるタレント養成学校トゥインクル・アクターズ・スクールに練習生として潜入し、3週間以内に、明日の芸能界を担う金の卵を発掘してこいというのだ。
 身分を隠して潜入するため、寮長が協力してくれる約束になっているという。
 挨拶に行くと、寮長はかつて主人公が担当し、彼のミスから怪我をして引退を余儀なくされたダンサー・音羽早苗だった…。
 
 
 この『トゥインクルレビュー』は、好感度パラメーターを信頼度と愛情度に分割し、そのどちらを満たしているかで恋愛EDとデビューEDに分岐する。
 つまり主人公が相手にとって“信用できる人”になるか“好きな人”になるかで、恋人として島を出るのか、デビューするために島を出るかの分かれ道になるのだ。
 勿論、両方を満たせばデビューさせた上で恋仲になることもできるわけだが、このシステムがこのゲームの特徴であると同時に、欠点となっている。
 
 主人公の立場はスカウトマンの仕事で来ている。
 周りにいるのは、これから能力を見極めなければならない商品達なのだ。
 主人公は、個々の能力を見極めた上で明日のスターを見付けなければならないはずだ。
 それなのに主人公は、1人の女の子を構い続けなければならない。
 そうしないと、デビューさせることすらできないのだ。
 これは結局、目指す方向性によってヒロイン達の個性を表現しようとしたことに起因している。
 レッスンのカリキュラムが自分で組めるという恐ろしく主体性を重んじた方式のため、ヒロイン達が一堂に会するのは、なんと花火の時だけなのだ。
 これじゃあ、嫌でも1人に当たりを付けてつきまとうしかないわなぁ。
 主人公がインスピレーションで選んだ相手を延々と追い続けるという、結構とんでもないストーリーになってしまったのは、もう割り切るしかない。
 ここを割り切れないと、もうこのゲームはやることが苦痛以外の何物でもない。
 ただし一旦割り切ってしまえば、小粒ながら1人1人にちゃんとストーリーがあるまともな作品だ。
 それぞれに壁があって、それを主人公のアドバイスなどで乗り越えて信頼関係を築いていくという、オーソドックスながらも、タレントとマネージャーとして、恋人同士としてのスタンスをちゃんと描いている。
 これは評価できる。
 しかしエンディングがちょっと違うだけなのに、それを見るために全く同じ展開を繰り返さないとならないというのは、ちょっといただけなかった。
 
 更に、早苗の存在感が危険なまでに強すぎる。
 主人公のトラウマにして、お互い気付いていなかったものの相思相愛の元天才ダンサー。
 こんな美味しい設定てんこ盛りな人がいたら、ほかのヒロイン達の影が薄れてしまう。
 しかも、どうもそれだけでは済みそうもないのだ。
 そもそも社長は、どうしてこの計画に主人公を選んだんだろう?
 練習生として潜入するわけだから、確かに若くて審理眼のある人物を選ばなければならない。
 だが、それにしては3週間という期間は余りにも短すぎる。
 どうも本気でやっているようには見えない。
 ここで、少々うがった見方をしてみる。
 社長は、かつて早苗と主人公が互いに抱いていた気持ちを知っていた。
 早苗が潰れてしまった後、精神的に死んでしまった主人公を立ち直らせるために早苗に手紙を書くよう仕向けたのは、多分社長だろう。
 そして、今回完全に立ち直った主人公を、再び早苗に会わせるため、潜入調査を口実として送り込んだのだ。
 そう考えると、全ての展開に納得がいくの。
 寮長である早苗がいる以上、社長が敢えて誰かを潜入させる必要はない。
 早苗からの情報だけで、練習生の能力はほぼ把握できるはずだ。
 そして、主人公がポチャを連れていこうが、練習生を彼女にして連れ帰ろうが、有望な新人を連れて帰ろうが、社長のコメントが一切ないことからも、余り期待されていないことがよく判る。
 早苗とのエンディングでは「そうですか」の一言で、タレントを連れ帰らなかった主人公を責めもしない。
 困ったなぁ。
 過去の共有だけでもいい加減ほかのキャラが太刀打ちできないのに、こんだけバッグボーン作られちゃねぇ。
 早苗のエンディングを見ちゃうと、ほかのヒロインのエンディングが薄っぺらくって見てられないよ。
  虎徹氏が早苗EDの後で放り出したわけだ
 個人的には、静夜が結構気に入ってるんだけどな〜。
 でも、やっぱ早苗には敵わないよな〜。
 
(総評)
 そんなわけで、鷹羽的にはあまり評価高くありません。
 ただ、ヒロイン毎にエンディング曲があるのは評価してます。ご本人様が歌っているのも評価高いです。
 やっぱ、全部同じ曲じゃあねぇ。
 欲を言えば、もうちょい上手い人が多ければ…。
 
 
(鷹羽飛鳥)

戻りマース