〇松原葵編／ストーリー完成度：Ｃ
予想通りというか、ほとんど変更のないシナリオ。
もっとも、個人的には非常に高い完成度を誇っているものと見ているので、例のＨシーン以外、変更の余地はないだろうと判断した。
もともとWIN95版でも、あの“青カン”だけが疑問視されていた訳だから、これはこれでいいのでは？
さらにPS版では、葵からの告白シーンというものが追加された。
WIN95版は、女の子の方から告白するシーンというのがほとんどない。
せいぜい浩之の言葉に同調する形で「私も好きです」と呟くのが、関の山。事実、葵もそうだったのだ。
しかしここでは正々堂々と正面から、浩之に告白している。
実際にこんな風に言われたら面食らうだろうけど、先の試合で自分自身の成長を認めた葵ならではの行動という感があって、非常に気に入っている。
実に男らしい。
これは以前梨瀬成に指摘された事なのだが、WIN95版では、葵はクラブ存続を放棄するかの様な発言をしている。
しかしPS版では、そちらについても熱心な意欲がある事を語っている。
葵の成長物語とするならば、これはもっとも理想的なストーリーなのだろう。
たた、どうしても「To Heart」というゲームの中では浮きまくっているとしか感じられない。
よって、評価はＣとさせてもらった。
そうでないなら、Ｂくらいでもいいのだろうね。
〇保科智子編／ストーリー完成度：Ｃ
これもまた、変更らしい変更のないエピソード。
もともとが良い話なので、変えようがないのだろう。スッポリＨシーンが抜けたくらい。
ただし父親と会うために外出した智子と浩之が出会うシーンでは、あの予想外のミニスカ私服で我々スタッフ一同を大騒ぎさせた程のインパクトがあった。
恐らくアレで、何人かファンが増えたに違いあるまい。
内容としても、キチンと噂話（智子が、見知らぬ男性とサシで会っているという奴ね）に決着をつけたものとして、評価していいと思う。
個人的にではあるが、声優：久川綾は、果たして合っていたのかどうか疑問がぬぐえない。
「ホラ、そこどきぃ」とか「ええかげんにせぇ！」とかはいいのだが…甘えてる時の声とかがね…。
ま、演技のギャップとキャラの表現変化がかみ合っていない様に感じたという事で…戯れ言と思いねェ！
ちなみにであるが、メディアワークス刊「To Heart公式CG画集」によると、PS版のあのシーンの後二人はやっぱりヤッちまってるそうな。納得。
〇来栖川芹香編／ストーリー完成度：Ｄ
キャラクターはともかく、エピソードとしては個人的に評価出来ないものだったが、これまた予想通り、ほとんど変更はされていない。
無駄に感じる場面をシェイプさせたという意味では、多少完成度は上がっているのかもしれない。
しかし、やっぱりドーピングでしか告白出来ないものなのか…。芹香って、やっぱり変。
…なーんて、プレイ中に考えていたら、エンディング画面終了と同時にハングっちゃって、セーブデータを取れないというハプニングが発生！
なんと、4月10日からやり直すハメになってしまった（難易度自体は低いから、ノーセーブでやってたのだが）！
２回目は、「芹香様お許しを…芹香様お許しを…！」と、念じながらやったら、今度は大丈夫だった。…おそるべし、魔法使いよ…。
温水プールのエピソードは、可愛くてよかったね。誰かさんが暴走していたのを、妙に生々しく覚えているが…。
ああ、そういえばＨシーンに代わって挿入された「祝福の儀式」見て、凍りついた人って何人います……？
アレって、芹香を高位呪術師として見立てると、“血の盟約”の儀式の応用だよ…。
つまり、あの場合は周りから祝福されるんではなくて、離れる事叶わじという宣誓になってしまうのでは………………………知ーらないっと。
（後藤夕貴）
