〇姫川琴音編/ストーリー完成度:D 攻略難易度:天井知らず
実は、さりげなく注目&期待していたシナリオで、やはり“大幅に変更された超能力の概念”を取り入れた結果どう変わってくるものなのか気になってしょうがない。
元々あかりを一番最初に攻略する事を心に決めていたので、琴音は当然2番目の標的となった。
4月10日(初登場)のセーブデータも用意した。
…いざ!
しかし、私は失念していた。彼女の攻略が、最難関だったという事実を…。
結果、鷹羽飛鳥氏の温情溢れる協力のお陰で(←泣きついた)攻略に成功したのが、なんと! あかり攻略の約3週間後!!
結局、自力ではクリア出来なかった…。
…まぁ、泣き言は置いときましょ。
んで期待していたシナリオなんだけど、まぁ散々苦労させられたという苦言も含まれての事かもしれないが、正直期待ハズレとしか感じられなかった。
あれだけ苦労した果てに、見せられたのはこれかい? …そんな印象なのだ。
理由はいくらでも考えつく。
「不吉な予言能力と思っていた超能力が、実は無意識下で使用していた念動力の結果だった」というWIN95版の設定には、ストーリーそのもののオポンチさはともかくとして、それなりのカタルシスがあったのだ。
それがPS版では「制御し切れない念動力」だけという、なんだか全然練り切れていない設定に変更されてしまったため、琴音シナリオ最大のウリの“意外性”というものが完全に消失してしまったのだ。
これはイタイぞ。
案の定、琴音からは個性が消失してしまった。
彼女については、自らの行動や言動から個性をアピールする事が極端に難しい。
そのため、彼女自身の性質とは別のファクターが必要になってくる。
それが超能力なのだ。
だからここは簡略化してはいけないポイントだった。
よりによって、プレイ終了後にその事に気が付いてしまうなんて。
結局、例の公園の中で科学忍法・竜巻ファイターをかまして終わり…という、チープな結末を迎えてしまう。
確かに、琴音自身の超能力変異については解決出来たかもしれないのだが、それが二人の恋愛感情発生に繋がるものとなるには、あまりに琴音の心情描写が希薄だ。
いや正確には懸命に描写に努めてはいるのだが、伝わってこない。
同じようなタイプの芹香が、あの極端な仕草で個性を獲得出来ているのに、琴音にはそれが見あたらない。
元々の弱点なのだが、PS版になってさらに強調されてしまった。
唯一、かたくなな少女の心を溶かすエピソードとしての良点を持ってはいるのだが、それはWIN95版でもあった事だったし。
少し話を蒸し返すが、果たして琴音シナリオは、ここまで難易度を上げる必要性があったのだろうか? と、疑問に感じてきた。
当初は「ひとつくらいそういうのもアリか?」なんて構えてたけど、よくよく考えたらあれだけ苦労させられた果てがこれじゃあ、ちょっとやってられない。
比較的難易度の高いあかり編にしても、苦労に見合うだけのシナリオが用意されていたから、帳消しにされた。よって遺恨は残らない。
しかし、琴音は…。
展開がエピローグに向かう直前までの全ての選択肢がスキップ可能になった(つまり、すべて選択した事がある)というのに、いっこうにラストエピソードに行かない。
尋ねてみれば……選択肢の組み合わせをひとつでもトチれば、アウトだという!
ちょっと、正気?
どうして、「To Heart」みたいなゲームに、そこまでの難易度が必要だったんだよ?!
簡単に見られるエピソードだったならばそれほど難は感じなかったかもしれないが、とにかく割に合わない。
これが、このシナリオの評価を下げている最大の欠点だね。
事実、私はこれのためにブチ切れ、その後数ヶ月このゲームを起動させなかった。
もう少し、ユーザーの事を考えていただきたいものだ。
よくよく考えると、琴音ってこのゲームのキャラの中でもかなり浮いている感があるよね。
その理由はやはり、声優が“宮〇優子に継いで過去のAV出演疑惑が囁かれている氷〇恭子”だからなのかなー……って、関係ないって? お約束のツッコミだね!
でも、私…TV版では雅史とくっついたというのは、ものすごくグーなアイディアだったと思うんだけどなー…。
そんなに、あの話ってブーイング多かったの?
(後藤夕貴)