陣内美緒/評価C

☆さざなみ寮内最年少の住人である美緒は耕介を露骨に嫌い、彼に対して色々ないやがらせや反抗的な態度を取って見せる。
 彼女の父親・啓吾は寮の初代管理人であり、そのため他の男が管理人をする事が納得出来ないのだ。
 しかし、猫を助けようとして高い木から下りられなくなった美緒を耕介が助けた事が和解のきっかけとなり、以後はそれまでとは反対に、思いきりなついてしまう。
 だが彼女を助けた時、耕介はおかしなものを見た。
 彼女の頭からは本物の猫耳が生え、さらに二又に分かれた尻尾までぴこぴこしているのだ
 果たして、彼女の存在とは…?

 
 美緒が主人公と仲良くなる過程は、スピーディな割には違和感がない。
 「ToHeart」の保科智子に代表されるような主人公を嫌っている攻略対象パターンだが、なんとここでは美緒を小学生と設定する事で、独特のイメージを作ってしまった。
 元気な小学生という設定を思いきり活かした美緒のスタイルはとても気持ちがよく、思った事をズバズバと言い放つ素直さも手伝って、意外と嫌味な印象を受けない。
 …否、当初はかなり悪い印象を受けるのだが、それがいつまでも持続しないのだ。
 本当に“年の離れた元気な妹”という風に描かれているのが楽しい。
 また独特の話し方「〜なのだ」というぶっきらぼうな口調も可愛く、一つひとつの行動が面白く感じられる。
 了解の意の「らじゃった!」は、私のお気に入りのセリフだ。
 他シナリオにおいても当然これらは存分に発揮されているため、ゲーム終了後まで悪いイメージを引きずる人は、そうはいないのではないか…と想像する(やはり断定は危険だが)。
 先のリスティーも、これくらい思い切った事をやってくれていれば印象は好転したのかもしれない。
 本作の明朗な部分を一手に背負った重要な存在、それが美緒なのだ。

 しかし、ここで疑問が生じる。
 美緒は小学生なのだ
 制服姿があるので混乱するのだが、愛が縫っている体操服の名札「3-5」や、その他様々な要素を取り込んで考えても、決して中学3年生や高校3年生の筈がない
 猫のノミ騒動の際、何の疑問も抱かずに主人公と一緒に風呂にも入っている。
 同級生で親友の望が、子供料金で水族館に入れたというのも証拠になる。
 例のアレで明確に小学生という単語は出てきていないのだが、それでは彼女は、Hシーンをまともに演じる事が出来るのだろうかという問題が浮上するのだ

 で、どうなるか。
 物凄い力技を行使するのだ
 主人公の人間関係(当然女性)に違和感を覚えた美緒は、自分は大人になると宣言した後に熱を出して寝こみ、回復後、なぜか突然急成長してしまうのだ!
 わはは、こりゃすごい。
 たしかにこれなら、見た目は成人女性だから問題なく条件を満たしている。
 さらに、突然こんな現象を起こしてしまった美緒を元に戻すために薫や十六夜達を翻弄させ、自身にも悩みを持たせる事で御都合的な印象をうまく回避している。
 実際、行きたいのに学校に行けなくなってしまって悲しむ姿は、ホントに可哀想に思える。
 元々人間ではない美緒だから何が起きても不思議ではないかも…という部分ももちろんあるのだが、それよりも皆が彼女を心配して、それぞれの形で彼女を助けようとする姿を描写するという副産的な効果も生じる。
 主人公に対する思いが純粋であるが故に、逆に大人の体になってしまった美緒の態度や仕草が引き立つようになる。
 当初予想していたのとは全く違う方向にシフトしていくが、これは嬉しい不意打ちという奴なのだろう。

 だが、美緒が元に戻れるようになってから、ちょっと気になる点がポツリポツリと見え始めて来る。
 美緒は、子供に戻る前に…大人でいられる最後の夜のうちにと、主人公に愛を告白し、事に至るのだ

 …ちょっと待たんかい。
 いったいこのガキは、どこでそんな知識を仕入れてきたんじゃ!

 

 ご存知の通り、小学校で性教育が始まるのは5年生になってからだ。
 多少早熟な知識を持つ子がいたとしても、せいぜい1年前くらいが関の山だろう。
 ましてや知っている事と、その行為に実際に及ぶ事は全然別の筈だ。
 美緒にこれらの知識が備わっていたとは到底思えないし、自分から誘うような言葉を吐くとも考えられない。
 大人なのは、あくまで身体だけなのだから。
 2回目のHシーンは、その後成長して主人公と結婚してからだからまだいいのだが(CGは当然使いまわし)、この1回目の非常識さは凄まじい。
 全体の評価を著しく落とす展開とは言いたくないが、肝心な場面で突っ込みを入れさせられたら誰だって戸惑う筈だ。
 勢いに乗って走っていて、突然岩につまずいたかのような印象を抱いてしまった私だった。
 それならどうして、初Hシーンをカットして結婚後にそれを挿入しないのか。
 CGも使いまわしなんだから、充分出来た処置だと思うけど…どうよ?

 とはいえ、あまり極端な破綻を来たしていないのはポイントが高い……と締めようと思ったら、なんか妙にひっかかるものがある。
 なんだ、とじっくり考えなおしてみるが…
 ……
 …あレ?
 …結局、美緒って正体は何者だったの?
 子供の時、啓吾に拾われて育てられたのはいい。99.99%人間と変わりないというのもまぁいい。
耳とシッポで充分0.01%を上回っているとか突っ込んじゃいけない?
 事情を知っている(可能性のある)啓吾が、リスティー編ラストくらいにしか出てこないものだから、誰も事実に切迫する事ができないではないか!
 いいのかな、このまま終わって…なんか不に落ちない。
 なんか美緒の急成長の言い訳だけに、人外という設定を持ってきただけだったのかな?
 もしそうなら、評価はさらに1ランク低下だな。

 それから、無粋なツッコミを。
 成長後の美緒の胸を掴んだ真雪の一言「88のCだな」…
 これはまず絶対的にありえません。
 カップは、アンダーとトップ差が10センチならA、13センチならB
 10から始まって、一ケタ目に3.5.8.0の数が加わった大きさが、カップの違いになる。
 13の次は15、その次は18、次は20…と変わっていくのだが、トップ88でCなら、アンダーは73センチ。
 しかし美緒は身体そのものはかなり細いという事を強調していたので、アンダーは70程度が妥当ではないだろうか。
 そうするとトップ差18センチでDカップになる
 太めと考えて75だとすると、Bカップになってしまう
 実際の規格として、トップ88にしてCカップという基準はほぼ絶対的にありえないのだそうだ
 元々カップという表現自体、プラのサイズから派生しているものだからね。
 適当に付けた数字が、たまたまありえない規格と合致したというところか。
 知らない知識をうかつに書くと、こういうドツボにはまるという例なのだろうね(^_^;

 あと、やっぱ美緒はネギ類食べるとヒキツケ起こすのでしょうか?
 愛さんや、美緒のタマネギ嫌いは無理に直さない方がいいのでは?

うむ、らじゃった!