アメリカンセクシーチャンネル3
 
エルトリア(以下「エ」)「はい、梨瀬成さん、プレゼントです」
梨瀬成(以下「梨」)「ふっふっふ、ネタはあがっておるぞよ」
エ「はあ…何のことです?」
梨「きちゃまが、九拾八式メンバーに次々と謎な贈り物をよこして、我々を混乱のるつぼに陥れていることを…」
エ「…別に秘密にしている訳ではないですけど。ちなみに柏木悠里さんに『ぽこぽこ軍将』をプレゼントしたら、何ともいえない微妙な顔をされましたけどね」
梨「そこ、その『してやったり』って感じの笑みを漏らすんじゃない」(苦笑)
エ「という訳でプレゼントです。ちなみに、絶対梨瀬成さんなら喜んでくれる一品ですよ♪ いや、ナイス選択ボク、って感じです♪」
梨「ふむふむ。ということは、今ちょっち注目している『灰被り姫の憂鬱』かな? 憎いね! エルトリアちゃん! ありがと♪」
エ(冷静に)「は? 何寝ぼけた事言ってるんですか?
梨「へ!?」
エ「アレは単なるADVじゃないですか? そんなつまんな…イヤイヤ、梨瀬さんを失望させる選択なんかしやしません!」
梨「…じゃ、やはり俺っち的注目作『BraveSoul』か! イヤ、久しぶりにやりたかったんだ、RPG!」
エ「おおぼけですね。RPGやりたいんだったら某大作RPG]でもやったらいかがです?」
梨「いや、PS2持ってねーし、俺っち」
エ「という訳で、コレです!!」(ででーーーん!!!!)
 袋から出たエロゲ箱(苦笑)。タイトルだけで十分あやしい「アメリカンセクシーチャンネル3」の文字がまぶしいゼ!
「あああああーーーーー!!!! パッケージだけであやしいじゃねーーーーか!!!!」
 その日から、梨瀬成がキャプテンフリーダムになる日々が始まるのだった。
 
1.メーカー名:TOBE
2.ジャンル:STG
3.ストーリー完成度:E
4.H度:A
5.オススメ度:C
6.攻略難易度:ただ単にクリアするだけならE。2クール目を狙うならS
7.その他:「とびでばいん」といい最近STG多いね〜。次回のレビューは「ソニックプリンセス」でいっとく!?
 
 
(ストーリー)
 かつて栄華を誇った人気番組「アメリカンセクシーチャンネル3」
 しかし、それも今や数々の番組に押されて過去の栄光になりつつあった。
 この状況を打破するべく番組プロデューサーは、業界でも屈指の高額ギャラを要求してくるコトで有名な人物キャプテンフリーダムに出演を依頼する。
 そして、フリーダムは女性の服だけを脱がせるという銃を用意し、それを使って有名な観光地で次々と番組を放映していくのだった。
 果たして番組の復権となる視聴率を、キャプテンフリーダムは獲得することが出来るのだろうか?
 
 
 ●月×日(初日)
エ「実は、さっき少しやってきたんですよ、ボク」
梨「ほうほう。ま、イージーからやってみようか?」
エ「とりあえず、ニューヨークステージが簡単でいいんじゃないですか?」
 さっそく、ニューヨークステージを選んでスタート。
梨「ありゃ、女の子が走ってくるけど何もしてこんね…ってオイ、なんか弾当てると服脱げるぞ」
エ「そいつらは攻撃してきませんよ。服を破くと視聴率がアップするんです」
梨「バカセンスもここまでくりゃ芸術だな…ってオイ、パトカーがしょっぱなからボスみたいなムチャクチャ攻撃をかましてくるんだが…」
エ「このゲームは攻撃してくるのはボスだけです」
梨「要するに内容はボスとのタイマンってコト?」
エ「ええ。ほかのステージもそうですよ」
梨「しかし、このピンクの弾といい、青のドーナツ弾といい、完全にCAVEのSTGのパクリじゃねーか、コレ? ま、悪いとは言わないけど」
エ「ま、でもそこそこ楽しめるでしょ?」
 と言う訳で、とりあえずニューヨークをクリアして、そのまま次々とステージボスをクリアしていくと…
梨「うーん…イージーにしちゃ、けっこう難しい様な気もするけど一応(弾と弾の間の)道が見えるから、何とかなるかな?」
エ「買い物しましょうよ! 買い物! コレが傑作なんですよぉ」
梨「ふみゅ? どりどり…とりあえずSHOPINGを選択して、うーん、じゃこのファンネルをば…」
 
女の人の声(アメリカン)『その周りをくるくるとまわってるのは新種のペットなの?』
男の人の声(アメリカン)『これが西海岸で大人気のファンネルさ!』
 
梨&エ「………!!?!?☆♪☆●♪!?%@@&<>@*/!!!!!!!!!」
(↑腹を抱えて爆笑をこらえている)
 
エ「どーですぅ! 馬鹿馬鹿しさもここまでくればOKかと!」
梨「しかも、よく聞きゃ音声多重放送の上に、二カ国語でやってるよ!」
エ「コレをやった声優さんは、間違いなく一流ですね。いろんな意味で」
梨「しかも、このアメリカを思いっきり勘違いしたナレーションセンス! どっかのパチモンとしか思えないTVショッピング風味! イカスね!」
梨&エ「ぎゃーーーあっはっはっはっはっはーーーーー!」
 
 一通り爆笑を終えて…
 
梨「とりあえずはゲーム自体が番組仕立てになってるから、1クール=13ステージで終わりなんだな」
エ「選べるステージが6ステージ。13ステージ目は最終ステージで固定だから、結局12ステージはやらなくちゃいけないのに6ステージというのはちょっと寂しいですね」
梨「でもまあ、6体ボスがいるんならこんなモンかなとも思うけど」
エ「女の子にHな番組の出演依頼すると、視聴率が大幅に上がるのはいいアイデアですね」
梨「でも、ある一定以上視聴率上げると、STG面での視聴率の減り方が激しくなっちゃうから、あまり意味ないかもしれんけど」
エ「でもいくらミスしても視聴率が下がるだけですから、STG苦手な人でも楽しめますよ」
梨「絶対EDまで行けるんじゃ、攻略難度はEってことになるのかな? 内容的には結構難しいから今イチ釈然としないけど…」
エ「で、どーです?」
梨「うん? 悪くないと思うよ。まあ、じゃ、次回はコレをレビューに取り上げてみようか」
エ「ちなみに、詳しい条件は分かんないんですけど、成績がいいと2クール目に入れるらしいですよ」
梨「ふーん、そーなんだ。ま、そこまでやってレビュー書けばいいかな?」
エ「わかりました。いや〜、それならプレゼントしたかいがあったというモノですよ。あ、進行具合のチェックも含めて、時々遊びに来ますね〜」
梨「さりげに、エルちゃんって編集者向きな性格ね…」
 
 ●月☆日
エ「どーですかあ、調子は…」
「釜飯アタック!!」
 ひらりん!!
エ「あ、危ないなあ…当たったら一大事じゃないですかあ」
梨「ノックなしで部屋に押し入られたら、普通は攻撃するわい。…しかし、よくぞ二枚刃の釜飯アタックをかわしたものよ…」
エ「一回、みっちんに使った技じゃないですか(花の記憶1・2・3レビュー参照)。聖闘士に一度みた技は二度通用しませんよ
梨「(何座の聖闘士じゃい、オノレは!)」
エ「で、どーです進行具合は?」
梨「ぼちぼちだね。さすがに色々欠点も見えてきたし」
エ「と言うと?」
梨「まず弾幕が基本的に途切れない点ね。一連のCAVE作品にしろ、他の弾幕ゲームにしろ基本的にボスの攻撃って言うのはボム一回撃てば次の攻撃に移行するぐらいの長さのモノが1セットあって、それら数種の攻撃をループさせているのがほとんどなんだ」
エ「ふむふむ」
梨「このアメリカンセクシーチャンネル3も、ボスの攻撃はだいたい3種類のループになってて、弾幕ゲームのボスのセオリーは踏襲してるのね。ところが、その攻撃一回の長さがあまりに長いから、どうしてもミスにつながりやすい」
エ「わかりやすく言うとキレやすい、ってコトですか?」
梨「まあね。ボスとのバトルオンリーのゲームだから長くしたのは分かるんだけど、その前に目が追っついてこないよ。それにこのゲームの弾速、弾幕ゲームの割には意外と速いし」
エ「まあ、何度ミスしても先には進めるわけですけどね」
梨「だからって訳じゃないのかもしれないけど、死んだ後の無敵時間が短すぎるのも欠点ね。とんでもねー弾幕張られて立て続けに死ぬと、結構なストレスだぞ」
エ「せめてボムが用意されていればもう少し楽だったんじゃないですか?」
梨「それは言えてる。既存の弾幕ゲームのあの無茶な攻撃って言うのは、さっき触れた1ループの攻撃をしのげるぐらいの継続時間と無敵時間を持つボムがあることも計算の上なんだよな。例えば弾幕ゲームのハシリになった『怒首領蜂』なんてよく出来てて、死ぬとボムの最大ストック数が1個増えていくんだよね」
エ「でもアメリカン〜は確か…」
梨「そう! ボムあるにはあるけどサブウェポンなんだよな! しかも買いだめ出来ないから一発こっきり。サブウェポンには他にもホーミングとかオーバーブーストとかあるからこれらとの共用だって出来やしない」
エ「なんか…」
梨「ん?」
「文句たらたらですね。ひょっとしたら地雷ですか?」
梨「うーん…実際、かなりね。馬鹿馬鹿しさとかセンスとか、そういうのは悪くないんだけど、弾幕ゲームのいいところを引き継いでいないと言うか…」
エ「攻略は難航しそうですね…」
梨「うんにゃ、そんなことはない」
エ「は?」
梨「正直言うと、一回のプレイで女の子3人×6回の計18回の出演依頼をすべてこなせるぐらいのスコアを叩き出すことは可能だ」
エ「ありゃ? じゃ、そろそろレビュー書くですか?」
梨「正直、自分でもかなりのスコアを出していると思うし、それなりにやりこんだと思うんだよ。だけど、2クール目には入らねーんだな、コレが」
エ「わかりました。条件今度調べておきますよ〜」
梨「よろしく頼むわ。とにかく目標がないままプレイするのが一番ツラいし」
 
 ●月$日
エ「梨瀬さーん、条件分かりましたよ〜」
「ぶつぶつぶつぶつ」
 ↑PCのアメリカンセクシーチャンネル3のED画面を見て、何やら考え込んでいる。
エ「条・件・わ・か・り・ま・し・た・よ」
梨「どわあああああ! びっくりしたぁ! いきなり耳元で声かけんなよ」
エ「さっきから何度も呼んでましたが」
梨「俺っちの気づかないうちに背後をとるとは、ずいぶんと成長したのぉ」
エ「イヤ、今の梨瀬さんなら誰でも寝首を掻けるというか…」
梨(無視して)「で、どうだったん?」
エ「えーとですね、まずは視聴率とスコアなんかは問題ないみたいです」
梨「そりゃ、そうだろ」
エ「ノーマル以上が条件で…」
梨「それもやってる」
エ「死んだ回数が5回以内」
梨「それだ…って、ええ〜5回しか死ねないの〜!?
エ「秋葉原の本屋で調べてきました」
梨(しばらく画面をにらんで)「ま、死んだらやり直し、っていうのを繰り返せばいいのか…よし何とかなりそうだ!」
エ「締め切りも近いですよ。よろしく〜」
梨「ホントにつくづく編集者向きな男よのぉ」
 
 ●月%日(Telにて)
後藤夕貴(以下:後)「という訳で原稿の方はどうよ?」
梨「はっはっは! エルちゃんから2クール目に入る条件聞いたから大丈夫じゃないかなあ…」
後「まあ、そんならいいんだけど…」
梨「なーに、1ステージクリアすんのに30分ぐらいかかるけど、やり直しを駆使すればなんとでもなるさ」
後「(うう…不安だ…)ま、がんばってね」
 
 
 ●月△日
 旅に出ます。探さないでください
後「どう思う。この書き置き…」
エ「なに、心配はいりません」
後「って言ったってなあ…こりゃ逃げたとしか…」
エ「確かにモニターにつけっぱなしのアメリカンセクシーチャンネル3、そしてもぬけの殻の部屋の中…しかし、スクリーンセイバーは起動していません。犯人はまだ遠くに逃げてはいない…
後「原稿遅れたら犯罪者呼ばわりかい…つくづく編集者向きな…まず、俺らのこの住居不法侵入自体が犯罪の様な気がするが…」
エ「ま、だいたいどこ逃げたか目星もついています。さ、行きましょうか」
 
「♪ナ・カ・ナ・イ・デ〜、本当の孤独も知らない〜
  まだ淡い花びらに、涙の粒抱えたまま〜♪」
 どげし!
梨「な、なんばしょっとですカ?」
後「きちゃま、原稿もやらんとキーボードマニア3rdやってるんじゃない!」
エ「しかも『PinkRose』ボーカル部分まで、きっちり歌いつつ弾いてるし…ま、だいたい梨瀬さんの逃避行動は近所のゲーセンでキーボードマニアと相場が決まってますから」
梨「ワシには無理なんじゃよ〜
後「何とか、なるって言ってたじゃん」
梨「いやな、アレ、2クール目狙ったらとんでもねーわ」
エ「例のやり直し戦法でもですか?」
梨「とにかく問題なのが視聴率やおひねりのスコアとかが上がっていくと、難度がどんどん上昇していくコトね」
エ「あれ? でも最初に難易度選べますよね?
梨「そう! だけど、そういうスコアとか視聴率が上昇するとそんなの関係なしに難しくなっちゃうんだよ! 結果として死なないと言うことは、そういうものの上昇にもつながるから、途中から激ムズになるんよ」
後「ひでえ…」
梨「まったく冗談じゃないぞ、ほとんど『エスプレイド』のガラ婦人みたいな弾幕張ってくんのにボムはないに等しいし、死んじゃいけないし」
エ「あ、あの…」
梨「あたり判定曖昧だし、しかもその位置が股間だし、その割には自機が大きくて分かりづらいし、おひねりのカスリ判定も分かりにくいし…(くどくど)」
後「あの、お怒りのところ、悪いんだけどサ」
梨「エロシーンは全部見たから今更どーでもいいし…て、何?」
後「締め切り、♂日後だからよろしくね」
きゃああああああああーーーーーーー!!!!!!
 
 
(総評)
梨「とゆーわけで、総評です」
エ「はやっ! って大丈夫なんですか?」
梨「はっはっは! 安心したまえ。休日丸一日つぶして何とかクリアしたから」
エ「で、どーでした?」
「変化なし」
エ「は?」
梨「だーかーらー、特にEDに変化はなかったよ、2クール目も。ただ単にもう1クール長く遊べるだけ。まあ、難度が『なんじゃ、こりゃあ!』ってぐらい上がるけど。はっきり言ってもう人間にクリア出来るシロモンじゃないぞ、コレ」
エ「時間の無駄だった?」
梨「ありていに言ってね。正直自分たちの作りたいモノを作ろう! っていう考えだけで成り立っているだけでしょ、コレ。『とびでばいん』みたいにプレイヤーに楽しんでもらおう、ってところまで考えが及んでいないのがよく分かるよ」
エ「久々に厳しい評価ですね」
梨「なんだかんだ言って、俺っちはSTGの人だからさ。もちろん下手の横好きレベルでしかないけど。昔『出たな! TWINBEE』を初めてクリアして『Thank you for Playing!』ていうメッセージが最後に出たときすごく感動したのよ、俺っち。プレイしてくれたプレイヤーに対する本当の感謝の気持ちが込められているような気がしてさ。こういうのって、そこまでゲームやってきて、良さを肌で感じ取っているからこそだと思うのね」
エ「ほうほう」
梨「STGはADVみたいに文章で何かを語ることは出来ないけど、だからこそそれ以上に感性でプレイヤーに訴えることが上手じゃなきゃいけない。俺っちがSTGにこだわるのもそういうところがあるからだし、これからもそれを追い求めていくと思う。だから、こういう『とりあえず弾幕ゲームでも作っとけ』みたいな作品は、どうしても辛口になっちゃうね。ツラいコト書いているのは分かるけど、これが俺っちなりの結論」
エ「それでは、次回『ソニックプリンセス』にご期待ください!」
「ええ〜! またSTG〜ぅ!?」
エ「と、オチがついたところで」
 
 
 
(梨瀬成)

戻りマース