開運戦隊・巫女サンレンジャー
悪の野望を砕くため、戦う巫女さんここに参上?
1.メーカー名:AQUA HOUSE
2.ジャンル:ETC
3.ストーリー完成度:C
4.H度:D
5.お薦め度:D(馬鹿になりたい貴方はB)
6.攻略難易度:E
7.その他:特に多くは語るまい…
(ストーリー)
悪の組織・制服マイスター。
その野望は、ありとあらゆる制服を集める「世界制服」である。
そして野望達成まで、あと残すは「巫女装束」のみ。
さあアンアン大佐よ、巫女装束を手に入れるのだ…
しかし、巫女装束を守るヒロイン・巫女サンレンジャーが行く手を阻む!
ここに、巫女装束をめぐる果てしない戦いが始まるのであった…
やってまいりました、妙ちくりんなタイトル。
いや〜、前から欲しかったんですよね、このあからさまに“怪しい”題名。
さらに、パッケージ裏の「制服マイスターのアンアン大佐となり、巫女装束を奪うのだ…」この説明のくだりで、頭の中には“GOサイン”が出ていた作品です。
だけど、なんとなく中身が想像できてしまう物に七・八千円払う勇気がなくて、やっと中古で見つけたら、税込み五千円弱。
これでも悩んだのですが、何とか手に入れてみました。
で、やってみたところ…
「おー、面白いじゃん! …でも、ほぼ考えていた通りだよ…」が第一印象。
結論から言うとゲーム性ゼロ、デジコミです。
何がそうさせているかと言うと、全てではないかと…
「これがこの作品の姿勢なのだから、しょうがないのか」っと諦めるしかないです。
詳しい原因はと言いますと、ほとんどの選択肢が意味を持ってないことです。
全8話構成の中で、意味を持った選択肢は3箇所のみ(CG回収のためのルートは除く)で、そのうち2つはバットエンド直行です…ん、ある意味ハッピーエンドか? アンアン大佐は幸せになったし。
例えば、アンアン大佐が必勝を祈願して神社にお参りするんですが、お賽銭を投げるか投げないかという選択肢で、どっちを選んも後半の戦いの時に敵の攻撃をはじいて、「あなた、神社でお賽銭を投げましたね」といった台詞が入ります。
投げてないのにもかかわらず、この展開。
なんだか、いい加減に作っているように感じられてしょうがないです。
他にも、戦闘で巫女サンレンジャー3人とも倒せる状態でありながら、特定の人を倒さないと戦闘が終わらないし、こちらが負けるとゲームオーバーと言っておきながら、お話はそのまま続いていったりもします。
結局何が言いたいかというと、もっと世界観を広げて欲しいんです。
始めの15分くらいは楽しめるんですけど、後のほうはギャグに笑うだけで、攻略が機械的になっていくんですよ。
ストーリーの性質上、1周してしまうと後はどうでも良くなるので、その中で機械的になってしまうのは、「ゲームをやって楽しめたな」って感覚より「無駄な時間を過ごしたな」といった感想のほうが強いんです。
まぁ、やってみるまでは分からないんですけどね。
それともう一つ。
上の意見とまるっきり反対なんですが、もし馬鹿なデジコミを目指したのなら、とことんその路線のままで行って欲しかったです。
テレビアニメ仕立てで進むので、オープニングテーマ・エンディングテーマ・次回予告なんてものがあります。
戦隊モノの形をとっているのでそれはあたりまえなのですが、せっかく巫女サンレンジャー達は喋るんだから、歌って欲しかったですね。
見たこと無いけど、作詞はあるみたいなんで。
次回予告のほうも喋りません。
イメージとしては、私が思うには“機動戦艦ナデシコの次回予告・簡易無声バージョン”といった所でしょうか。
ナデシコだとウリバタケ(カ○ーユ)が、ノリ良く喋ってくれるじゃないですか。
それが無声で安っぽい音楽までくっついてくると、私としては物足りなさを感じてしまうんですよ。
まあ、ウリバタケ(ヤマダ○機)なみにとは言いませんが、男性の声優を使って近いものは作って欲しかったですね。
ついでに言うと、全員喋って欲しかったですね、フルボイスで。
女性キャラのみ喋るんじゃなくて、男性キャラもいいのがそろっているのだから、喋ってくれればそれだけでも印象は違ってくると思うのに…。
シナリオ的にも、もっとぶっ飛んでもよかったのではないかと思います。
総統の娘が九尾の狐などという、変に現実的というか、とって付けたような親子関係を唐突に持ってこられても、違和感を感じるばかりでした。
詳しく書きませんが、ラストでの「総統は、実は地球のヒーローだったんだ」っていうくらいのどんでん返しが、もっとあってもよかったんじゃないかと思いました。
(総評)
「バカ」。この一言に尽きますね。
少なくとも、ここ一年でやったゲームの中では、馬鹿さトップクラスでした。
が、ゲームとして見ても、デジコミとして見ても、いまいち力足らずに終わってしまっているのが残念です。
せっかく巫女さんで戦隊モノという、馬鹿な素材を持ってきておきながら、全てを使ってない気がします。
最後の最後で総統が目立っているのも面白いんですが、なんだか「ネタが無くなったんで、しょうがなく出てきたのかな?」っと感じてしまいました。
それとメインテーマの性質上“セ○ラ○ム○ン”に似てしまうのは、しょうがないんですが…もうちょっとひねろうよ。
ピンチのときにくる「マスク オブ・KAZU」って、明らかに「タ○シード仮面」じゃん。
他にも巫女サンレンジャーなんかも“月”“水”“火”の設定まんまだし。
最後は負けるからいいけどね。
つまり、どこかで見たことのある設定を巫女サンレンジャー用にはめ込んであるだけなんですよね。
多少お笑い用にアレンジしていますが、オリジナリティが低い。
結果として、そのことが全てを中途半端にさせてしまっています。
それがやり終えてからの感想ですね。
ちなみにこの感想は、「何か有るんじゃないか?」と勘ぐって無駄に3周した後に到達しました。
1周が短いから出来る芸当でしたけど…。
一番印象に残ったキャラも、戦闘員である“パクリン隊”の皆さんでしたね。
潜入調査では敵といっしょに記念写真を撮ってきたり、命令された後の掛け声が「ウィー、ム〜ッシュ!」だったり、終始バカな事をするたけの存在でした。
このノリが、ゲーム全体に行き渡っていたらよかったのにな〜。
PS
アンアン大佐の給料は14万ちょいなのだから、パクリン隊の給料って、いくらになるんだろうか?
(エルトリア)