メイドのススメ
 
 タイトルから来るイメージでは“メイドさんフェチ”の心をくすぐるものと思いますが…嘗めたらいけません。
 さぁ、あなたはこの難問を突破して、見事に合格できますか?
 
1.メーカー名:アリスソフト
2.ジャンル:(基本的に)クイズ
3.ストーリー完成度:C´
4.H度:E
5.お薦め度:B´
6.攻略難易度:B〜D(個人差が出てくるのはしょうがないでしょう)
7.その他:今よみがえる、学生時代のあの苦労。
「こんな勉強、卒業して社会に出れば役に立たない」
 この意見を思い出させてくれました。
 まさか、ここで必要になるとは…
 
 
(ストーリー)
 主人公・戸隠ススムは、自分の夢を果たすために大学進学を目指し、勉強にはげんでいる。
 が、ススムの父・世界有数企業のトップである戸隠ケジメは、自分の後を継がせるために、早くススムを自分の会社に入れようとする。
 しかし、頑固なススムは受験を諦めようとしない。
 そこでケジメ付きのメイド・周防皐月は、ある条件を提案する。
 もしそれがクリアできるのであれば大学へ行き、叶わないのであれば、素直に父親に従うというものである。
 そこで皐月は、ススム付きのメイド菜畑奈津、神代小町の二人に「ススムに協力をするな」と忠告するが、それに逆らい、二人は合格を目指してススムに勉強を教えていこうとする…。
 
 「こんなタイトルのゲームあったかな?」と考えたあなたは鋭いです。
 アリスファンの方はご存知かと思いますが、そうでない方に説明しますと“メイドのススメ”はこれ単体で出たゲームではありません。
 アリスのゲーム(たしか「ママトト」以降)を買って、それについてくるおまけCD「アリスCD」の中に入っていたミニゲームのひとつです。
 私も最初は、メインのゲームが主目的で買ってきたのですが…。 
 
 まっ、とりあえず中を開けると、CDが二枚入っています。
 ゲームをやる前に、ちょっとおまけCDでも見てみようかな。
 そんなノリで開けてみたのですが、中を見るとその一つに「学習メイド18禁ソフト」なるものがありました。
 んで、とりあえずインストールをした訳です。
 私としては、このなんとも怪しげな香り漂う説明がやる気を起こさせました。
 
 ゲーム内容を補足しますと、ススムの受験までは10週間あります。
 それまでの間、毎週末模擬テストをするのですが、テストは文系・理系とで二種類あり、そのテストの総合平均が65点を下回るとゲームオーバー「サクラ・チル」となります。
 そう、これが皐月の出してくる「条件」です。 
 この条件、一見簡単そうに見えて格好辛かったです。
 問題のレベルはほとんどが中学生レベルの問題で、若干高校生レベルがまじっていると思います。
 ですが、人間の記憶は結構あいまい。ほとんど答えが出て来ませんでした。
 「うん、確かにこんな問題あった。昔は答えられたのに…」というのが多々ありました。
 他のクイズゲームでも「答えが出てこない」状況はあるでしょうが、なにぶん最終目標が受験・合格なので、更に切羽詰るものを感じました。
 また、面白いことに“カンニング”もできるんです。
 模擬テスト前日の行動で、奈津か小町と勉強すれば、テストでそれぞれの担当…奈津は文系、小町は理系の答えが一問だけ分かるんです。
 嬉しいやら悲しいやら…。
 この手のゲームには付いてるとは思う機能なんですが、役に立つんですけど、私としては「せっかくのゲームの面白さをなくしてしまっている」気がしてしまうので、なるべくなら使いたくはない機能ですね。
 
 さて、ゲームの目的は大学合格ですので、書いた通り大まかな区分けは文系・理系しかないです。
 その中での教科毎になりますが、ことわざ・慣用句、英単語のスペル、元素記号、食塩水の濃度、歴史の年号…などなど。
 過去に聞いたこと、あるでしょう?
 普段から、普通のパソコンゲームやクイズ以外のコンシューマゲームなんかに浸っている身としては、不意討ちを食らった感じがしました。
 だけどやっていくうちに、このゲームの攻略法を発見しましたよ。
 なんだかんだでやっぱり記憶力、ますます受験です。
 何回か繰り返しやるうちに問題の答えはある程度わかりますし、頭の片すみにある、昔の記憶も蘇って来るでしょう。
 でも、初めのうちは辞書の類を手元に置いておくと役立ちます。
 
 最後に、どこらへんが「学習メイド“18禁”ソフト」かというと…ススムがテストで80点以上を取ると、皐月がその分野を担当している奈津か小町を呼び出し、様々なお仕置きをします。
 それでも勉強を教えてくれるのですが、全週お仕置きされると、最後に精神が崩壊してしまい、せっかくクリアをしても「サクラ・サク、…ナレド」となってしまいます。
 この部分は、個人的に少し気に入らないですね。
 18禁ソフトなんで、やっぱりHシーンは期待するじゃないですか。でも、見続けると気分が暗くなってしまいます。
 しかし、クイズゲームでもあるので点数を高くもしておきたいのです。たった1週、70点を取るのも腹立たしいので…
 この辺は、個々人の感じ方の違いがあるでしょうが、私としては「点数も高くて、なおかつハッピーエンドが欲しいな」と思いました。
 
(総評)
 おまけゲームでこのくらいのレベルの物を持ってくるのは「まー、良くも悪くもアリスかな?」といったところ。
 けっして光る内容ではありませんが、ちょくちょくやっていくには良い一本(1ソフト)ではないでしょうか。
 サウンド、グラフィックともにノリに合っていて悪くありませんし、問題も慣れてしまえば比較的楽です。
 が、ジャンルの中にアニメや芸能(?)も1割弱は混ざってます。
 参考として数問書きますと…1問目「サインは?」2問目「大橋巨泉の出身地は?」3問目「アリスソフト内で最速のCPUは?」…
 サインはおなじみ「V」でした。
 だけど他の2問は分からないって。
 最速CPUは遊びとしよう。だが、何故あと数問“大橋巨泉”の問題が用意されているのだろうか?
 ナウいね。
 
 でもね、やはり良いソフトでもおまけはおまけ。
 私なりに感じた問題点をあげてみたいと思います。
 まず、記述式の答えは全角入力しか受け付けてくれない所。
 全角入力専門の人は良いかもしれませんが、私は日本語(漢字、平・片仮名)以外…アルファベットと数字…は、基本的に半角で入力しているので、たまに忘れてると…“×”をくらってしまいました。
 ここの点を改良してもらえると、うっかりミスが減るので良いと思うけど…めんどくさいかなー。
 後は、たまにバージョンアップとして問題を増やしてくれれば、なお良いです。
 同じ問題を何度も出されてばかりではつまらなくなりますからね。
 
 まっ、その点を差し引いてもいい気分転換になる一本でしょう。
 けど、うっかりしているとこちらが“メイン”になってしまう可能性があります。
 私は二〜三日やった記憶があります。
 CGが見たかったのもありますが、主な原因は「うそ、間違えた!? これ得意科目だったのに(涙)」なんて状況が何度かあったからで、意地になってしまったからです。
 
 おまけソフトでここまで遊べるのならお得ではないでしょうか? 
 コンシューマであったら目立たないかもしれませんが、パソコンゲ−ムであったのがよかったと思います(18禁ばかりやっているような私みたいのには)。
 もし興味を持たれたなら、やってみる価値はあるでしょう。
 問題が簡単か難解かは、あなたの学生時代の過ごしかたにかかっています!
 
(エルトリア)

 
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