マリー・ド・ブランヴィリエ侯爵夫人


 1676年7月17日、フランス・パリのグレープ広場にて公開処刑された女性で、当時フランス内で流行していた「毒殺」を極めたとされる実在の重犯罪者。
 砒素やアンチモン、トリカブトなどを使い、少量ずつ相手に与え続けで衰弱させ、その毒の効力と殺害までにかかる時間を調べるのを趣味にしていた。
 そのために慈善病院の患者達をターゲットにしたり、夫のブランヴィリエ侯爵にも手を出していた。
 
 この夫人はかなりワガママでとんでもない人物だったらしく、欲しい物への執着が凄まじく、少女の頃には二人の実の弟と姦淫関係を結び、恋人との仲を裂かれた事から実の父を毒殺、やがてそれによる財産配分の問題から、弟達をも殺してしまった。
 また、その後も周囲の様々な人達に毒を盛って殺害したり、生死の境をさまよわせた。
 その中には先の通り夫も含まれ、あまつさえ自分の実の娘までもが含まれていた
 やがてその殺人計画には先の恋人も含まれたが、彼自身が所有している毒の実験失敗で死亡してしまった事から毒物の入手ルートが明るみに出てしまい、すべての犯罪が暴かれる事となった。
 その後各国を逃走し続けた夫人も、数年後ベルギーで捕らえられ、処刑されるに至ったという。

 とにかく、近くにいた者は大なり小なり彼女の毒の洗礼を受け、死の淵を彷徨った使用人などはかなりの数に及んだらしい。
 とある目的のために知った毒の知識が、やがては「趣味」となってしまった…としか解釈できない所業だが、すべて実話だという所が恐ろしい。
 それに、強い執着心を満足させるため、そして強い好奇心を満たすために毒を用いたという姿勢も、なんか妙に樹里と似ているようだ…


優しささえ、毒入りのジェリー・ビーンズ♪