近年最大級の名曲揃い:

 当然個人的主観によるものだが、決して嘘をついているつもりはない。
 バロック調のBGMは、あまりデジタル性を感じさせない音で統一し、逆にミハイル・システム等の場面でかかる曲には、サイバーな雰囲気のデジタルバリバリのBGMを使用している。
 こういう風に、その環境によって複数のタイプのBGMを使い分けるのって、嬉しいよね。
 全体的には『悪魔城ドラキュラ・月下の夜想曲』を彷彿とさせる上品な構成で、これまで私がプレイした「館モノ」の中では、かなり上位に位置する。
 また、オープニングやエンディングも、祖阿代かつ悲しみに溢れており、弦の戦慄に混じったエレキの音が、どことなくこの“悲しい世界”の雰囲気を象徴している。
 個人的には、ヴェールカの曲とマリーツィアの曲が凄く好き。
 タイトルもいいよ!
 「人形の休息」という曲は、マリーツィア(人形)が炎に包まれる場面(死=永久の休息)でかかるものだ。
 こういうセンスはすごいよね。
 
 ああ、こういう部分は本来なら鷹風虎徹氏の領域なんだろうね。
 なれない事すると、つらいわぁ…
 
 とにかく、エロゲーうんぬんの枠を大きく逸脱した、完成度の非常に高い名曲揃いであるのは間違いない。
 “音”にこだわりを持つ人には、是非聴いていただきたい。
 唯一、本編中ではやたらと読み出しのために、音が途切れたり乱れたりしていた事が悔やまれる…CD-DAだから仕方ないのか?
 
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