凱旋! 無花果艦長


 やっぱり来ました“無花果艦長”です。
 海軍モノ、フォスターの新ブランド、トンでもタイトル、おバカ、と必要なモノは全部ある!
 おかげでこのゲンコーを書くまでに、14人もの人間につつかれこづかれ、挙げ句に“沈○の艦隊”を押し付けられる有り様。
 いいですよ別に。
 おいらだって、こりゃー書かんといかんがな、と思っていましたからね。

 それではいってみましょう!
 総力をあげてあのディーゼル潜を沈めろ!(意味不明)

1.メーカー名:BeF
2.ジャンル:ADV
3.ストーリー:B(←個人的加点あり)
4.H度:C
5.オススメ度:C
6.攻略難易度:C
7.その他:潜水艦のムービーは是非見よう

(ストーリー)
 「どれにしようかな、1・2・3…はい、コイツ」てなことで、敵国(冷戦状態)エンフ人民共和国の、海底ウラン採掘基地への攻撃作戦司令に選ばれた“無花果京太郎(いちぢくきょうたろう)少佐”。
 失敗すれば、即座にアメリカ軍が空爆を行うとのこと。
 日本国のメンツと平和を守るために彼に与えられたモノは、六日の時間と艦齢50年というオンボロディーゼル潜“はるかぜ”、そして“陰謀”という名の片道切符だった…


 このゲームに対するおいらの予想は、「無用に海軍」「無用にスカ○ロ」「無用にSEAG」とこんなもんです。
 パッケージには、これまた無用に“ディーゼル潜水艦”の文字が踊り、電波の如くおいらの頭をさいなむ。
 きっと“ふかまチック(意味深)”なゴリアテ野郎が“魚雷発射ーっ!”なんて、ソーゾーするだに恐ろしいことが展開するのではないかと期…いやいや器具…いやいやいやいや危惧しておりました。

特に
“後部発射管注水っ!”
“魚雷発射っ!”
“魚雷接近っ!”
“アップトリム90°っ!”
“魚雷命中、艦体破壊音っ!”
“メインタンクブローっ!”ってな事になったらあーた、サザンク○スが撃沈されるだけでは済みませんよ。ホント。
 あっ? 下品ですいません…。
 しかしまぁ、パッケージを見た限りでは“ヤンなー”で“タイラんと”な主人公のようなので、みっちんちょっと安心。
 やっぱ“べふ(BeF=びいえふ)”なんで、安心するのはやめよう。

 インストールしてオープニングを見る。
“力(リキ)”入っている。
 説明書を読む。
潜水艦のことは知らない”と、書いてある。
“イサギよし”というわけでゲームスタート。
 まず、いきなり問題に遭遇。
 日本に海“軍”がある。
 1945年に竣工した潜水艦を“50年前のオンボロ”と言っていたので、おそらく1990年代と考えられる。
 なぜにして“海軍”?
 あっ、そうか“日本国”って言っていた!
 たぶん、太平洋戦争は無かったという設定で…ヤベ、「おまえ、ガダルカナル勤務ね」なーんておちゃめな会話が有るではないか。こりゃ勝ったらしい、と判断。
 ついでに“軍”も解体されていないというワケだ。
 その方が、軍事行動をとるのにもいらない“自衛隊論争”も無くていいわけか。ウムウム。

 次に気になるのは、先ほどにも触れた“ディーゼル潜水艦”。
 艦齢50年というからこりゃ凄い。
 このゲームの世界観では、原子力潜水艦が完全に主流となっているようなのでキワドサ満点です。
 外観はそのまんま“伊号潜水艦”でして、制作者側の“漢”を感じます。
 こーまでして「原子力潜水艦対ディーゼル潜水艦」という構図を創ったのでしたら、みっちんはお付き合いしますよ。ホント。

 いけっ!“たつなみ”っ!
 いやいや“はるかぜ”っ!

 それにしても、そんなに“伊号”を活躍させたかったのかねー?
 せめて伊400級だったらなー、なんてーっ、すいません趣味がでました。てへ。

 ストーリーの方はドタバタ海軍コメディということになっていますが、真新しさは感じませんでした。
 やっぱり軍隊や警察なんかは、伝統的にコメディが多いのが原因でしょうね。
 女の子乗せて、艦内を動き回りながらイベントを消化していく舞台としては、意外にも平凡なものでした。
 もっとこうギュウギュウ詰めな感じが出ているかと期待してたんで、ちょいと残念。
 閉鎖空間な印象も少ないことも挙げときます。
 せっかくのシチュエーションなので、しっかりと表現してもらいたかったのがおいらの意見です。
 でもまぁ、『Luv wave』みたいに、「俺って、こんなに凄いこと知ってんのーっ!」っていうのはご勘弁願います。
 その点、嫌味がないのがこのゲームの美点です。
 好きなこと書いていると、ついつい余計なことまで書いてしまうのが人間の悲しい性でして、知らない人でも嫌味を感じさせないようにするにはセンスが必要なのです。
 要するに、センスを感じるから“高得点”という訳です。
 それらしい所といえば、“14ノット”を“ひとよんノット”、“200”を“ふたまるまる”なーんて軍隊式に呼んでたぐらいだからね。
 これ位だったら、「おっ、それっぽい」程度なもんです。
 余裕でセーフ、てなもんです。
 そこで気になるのが“無花果艦長”名前そのものでして、やっぱり“ある”のかなと思っていたら、ありませんでした、スカ○ロは
 安心安心。
 この“無花果”は“艦長”に係る枕詞であるだけでして、他意は無かったようです。
 ただ…
 “カンチョー、カンチョー、イチヂクカンチョーっ♪
 “カタカナはまずいでしょー、カタカナはー…”
という会話にのみ、影が見受けられます。

 つぎは女の子です。
 実は、このゲームに登場する女の子の印象が“薄い”気がします。
 なんか『花の記憶シリーズ』みたいに「あぁ、女の子ね…」程度なんです。
 確かに、気の小さい機関士や不良兵士で海軍元帥の娘、CG合成された“無花果艦長”に恋心を抱いて来たが“本物”に幻滅してしまった士官、ちょい役だけど、無花果艦長に惚れて軍医に変装までしてきた絶倫女なんてなのが揃っています。
 その中でみっちんが一番印象に残っているのが、意外にも“ロリキャラ”の鳴門紅葉
 ロリキャラ特有の破天荒さは有るものの、健気なトコが良い。
 それに、水測員で“鯨の海原さん”と会話をするという奇妙さもGoodです。
 さらにさらに、無花果京太郎とは4年前“奇跡”を起こした仲間だというのも印象的です。
 …4年前?
 …もっとロリ……どーして無花果と会ったんだろう…?
 ま、いいや、人生長生きのコツは「細かいことはあまり気にしないこと」だと言うからね…いいや、いいや、気にしない。
 …まさかどこぞの“赤○彗星”のように…いいや考えまいっ!

 ストーリーは個人的に“良”ですよ。
 海軍内の陰謀に巻き込まれながらも、“はるかぜ”艦内で気付いているのは無花果艦長ただ一人。
 おちゃらけながらも、ちょっと緊張感があります。
 ライト感覚は否めないものの、最後までその姿勢を崩さなかったのには好感がもてます。
 まぁ、潜水艦同士の戦闘には何も言いませんですけどね。

(総評)
 このゲーム、実は凄いことが一つ有ります。
 なんと、男キャラクターの音声までも、思わず聞いてしまうことです。
 おいらは女性キャラクターの音声でもカットしてしまうタイプなんで、当然男なんぞは聴くわけがない。
 それがですよ。聴いてしまうんですよ“無花果京太郎”の音声は。
 これは面白い!
 ついでに、ライバル艦長の音声もなかなかに聴きごたえがあります。
 最近“ボイスは女性だけ”てなものをよく目にしますが、“良い”ものでしたら、外して貰いたくないですね。

 つーぎーにー面白い点
 途中、マウスを操作してはいけないシーンが有るんです。
 “D・N・M・M・S(ドゥ・ノット・ムーヴ・ザ・マウス・システム)”というものだそうです。
 説明では
「プレイヤーと無花果艦長との連体を促すシステム」
だそうで、
「マーク表示中は無花果艦長と同様に、一切のマウス操作を行ってはいけません」
となります。
「ヒント:攻略のカギは忍耐力です
とのこと

 閉じこもった女の子をおびき出す“天ノ岩戸作戦”や、潜水艦戦にはよくある“無音作戦”に使用されます。
 これが実にユニーク。
 思わず苛ついてしまうのがGoodです。トホホホでイカス。
 こんな風にちょこちょこと見るべきモノもありまして、“努力”を認めます。
 でもまぁ、ストーリーがやっぱりおちゃらけ過ぎに感じてしまうのはいかんです。

 それと、個人的に終わり方がイイです。
 最後は無花果艦長が一人で“はるかぜ”艦上にて酒を飲んでいる。
 そして“おつかれさま”と一言。
 う゛ーん、なんかクサイがイイだろう。
 潜水艦のムービーを含めて、思い入れを感じます。“好き”なんですね…。

 PS:
 鳴門紅葉の「おまかされ〜☆」と「くっくっくっ〜…」の音声は、一度聴くと頭の中グルグル回っていい感じ。
 ちょっとお気に入り。
(みっちん)


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