はじめてのおいしゃさん
 かわいい双子を診察しちゃおう!

1.メーカー名:ZERO
2.ジャンル:妄想コスプレ診療ADV?
3.ストーリー完成度:D
4.H度:D (人によってはB)
5.オススメ度:D
6.攻略難易度:D
7.その他:神聖なる医療の現場においてなんと破廉恥な。えぇいそこになおれ、成敗してくれる! んぱぁ。


(ストーリー)
 朝倉のゆうなちゃんとまいなちゃんの双子と知り合ったのは、ちょうど1年ほど前。
 自宅の応接間で倒れたお母さんを、偶然通りかかった開業医の村上雅文が介抱したのがきっかけだった。
 それ以来朝倉家とは家族ぐるみの付き合いであり、双子にも「お兄ちゃん」と呼ばれなつかれている。
 しかし病気知らずで元気だった双子が最近体調がすぐれない様子。
 主治医でもある雅文は、心配する両親の為にも双子の診察をひき受けたのだった。


 さーて前作に続き、なぜか担当と任命されてしまったZEROのはじめてシリーズ第2段。
 オープニングテーマは、前作同様ふざけてるのかおおまぢめなのか、しかし前作に輪をかけてハイテンションで、悲しいかな、これのカラオケバージョンは結構耳に残っている。

 システム構成は前作と同じ。目立ったバグもなく作動も安定している。
 声は…うー、聴きたい人だけ聴いてくださいな。いろんな意味でハズカシイですわ。(笑)

 この通称・『はじいしゃ』も一卵性の双子であり、あろうことかお友達と称して『はじるす』の双子がお見舞いに来たりするイベントもあり。
 この4人を並べると、まるっきり4つ子の姉妹。…親戚とか従姉妹ぢゃないんだから、少しは容姿を変えて欲しかった。雰囲気とか立ち振る舞いが似てて…とかいう方向ではダメだったのかな?
 さらに次回作とかが出て(…あうう、なんかヤダなー)また同じ顔ぢゃ、世のお兄さんたちが喜ぶ〜ぢゃなかった、怒るわよ。

 前作のダメだしを踏まえた高い完成度は文句なく逸品であるが、あいかわらず説得力の無い年齢設定。
 お兄ちゃん(雅文)がいくら若くても、亡き父親の病院を引き継いでから10年ぐらい。それなりの年齢にはなっているわけだし、本当に双子が18歳だとしても15ぐらいの年齢差があっても不思議ではないかな。

 シナリオは7/22から7/31までの10日間、ふたごとおいしゃさんごっこ…もとい、治療に専念しつつ親密な関係に堕ちていくわけ。
 娘を持つ親が医者を信用できなくなるような展開てんこ盛りだが、彼はまともに診察もしてるし、本気で彼女達の体調を気遣っている。
 何がイケナイって、信頼をよせる年上の男性に憧れての初恋だと理解していながら、節制が効かずに手を出してしまったこと。
 うーん、据え膳なんとかとはいえ、うーん。気持ちだけは理解しときます。

 基本ルートは、ゆうなENDとまいなEND、それにBAD ENDとゆうなとまいなのTRUE ENDの4つ。オマケとして「はじるす」の補完シナリオまで存在してた。
 笑えることに、全てのエンディングを見ないと、エンディングでのスタッフロールにモザイクかかっていて観れなかったデスねぇ。

 前作同様コスプレもあるが、メインは「医療活動の延長」であり、検査入院するというイベントを軸に作られている。
 雅文本人と違い、両親健在な朝倉家から愛娘を長期に連れ出し毒牙にかける…結果的にはそうだが、この検査入院を雅文の病院に依頼してきたのは他ならぬ母親。
 近所だから安心だと太鼓判を捺してくれたのに、裏切ったわねーと云われそう。

 学生服、ブルマ、スクール水着、普段着、ぱじゃま、チャイナ服、浴衣、スパッツ、チアガール、ファミレス制服、メイド服、巫女装束、バニーガール、猫スーツ、フリフリのドレス、割烹着、ナースルック。
 壮観ですわね、これだけ出揃うと。
 細かなシチュエーションについては実際にプレイして堪能してもらうとして、先にも述べた様に雅文は純粋に医療行為を行うべく適切な処置を施している。
 そのアゲクに行為に及んだり、或いは治療中に理由をこじつけてコトに及んだり、または本来の目的を忘れて行為に及んだり…。全然ダメぢゃん(笑)。
 その他にも、懇願されたり誘われたりオネガイしたり。イタズラ目的なのもあったかな。
 相思相愛・合意の上の事とはいえ、地方の医療現場はパラダイスだと誤解されちゃうぞ。

 そして、またありましたょ。電話でお母さんと一緒。(爆笑)
 今度は携帯電話だが、まいなが雅文の携帯を使って自宅にかけると、お母さんがひとりHの真っ最中。こちらも負けじと雅文がイタズラ開始。…いいのか、それで?

(総評)
 可もなく不可もなく。そう一言で片付けるにはあまりにもインパクトがある本作品。
 しかし、後になにも残らないのもまた事実。つまり、ヤるだけゲームってこと?
 しかし、よく作りこまれていて、イベント進行上のミスとかも少なく、ストレスも少ない。(甘ったるい声はベツ!)
 ただ、回想シーンへの移行に少々難があり、画面上では波打って絵が変わるものの、テキスト上では酷く解りづらかった。

 前作で最大に不評だったと聞く「はじめて」イベントを盛りこみ、さらにはじるすの双子の分まで組み込んで、ますますアレな作品に仕上がっている。
 しかし、ダメダメな物でもなく、例えば雅文が医療活動を行うシーンでは、器具や処置について必要以上に細かな説明があり、ゆうなが車椅子の女性の半生を書いた本を読み涙した時などは、差し伸べる手が同情ではダメだということをちゃんと教えている。
 こういった部分が彼をただの変態医師とゆーカテゴリーに留めなかった要素だが、押しの強いまいなに翻弄され、ゆうなの涙に狼狽し、こんなで主治医を務めてるんですから、別の意味で感心してしまった。

 さて、倉庫になにやらアヤシイ衣装が詰まっている村上病院には看護師がいない。
 この看護師という呼び名は、〔婦〕という呼称が性差別だとかで改正されたものだが、本作品内では看護婦でとおっている。単なるポカかは定かではないが、居ないがゆえに雅文は診療のほか、事務から雑務まですべてを独りでこなしているわけだ。
入院患者の給仕は専門業者に任せているのだろうが、いくらヒマそうに見えてもリネン(シーツなどの事)の交換や洗濯といった事までやっていたのでは時間がいくらあっても足りない。

 それを踏まえ、ルート別のエンディングをみてみると、ゆうな・まいなの個別ENDは交通事故を境に看護の道へ…という流れだったが、双子とのTRUE ENDでは大好きなお兄ちゃんの役に立ちたくて、退院後に猛勉強し看護師になって帰ってきた。
 将来のことはともかくとして、二人で話し合って選んだ道だからこそ、雅文の感動もひとしおだった事だろう。
 これで最後にナースルックで3Pなんて展開にさえならなかったら、感動したまま終われたものを…くちおしやー。

 前作にも増してまにあっくなゲームではあるが、この診療痴態観察ADV(?)
 貴方なら、やってみますか?


(ゆいな)


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