フィルムノワール
一本の映画が始まろうとしている。
学生時代に撮った、想い出の映画が…。
そのとき、あなたの横にいるのは誰だろう?
1.メーカー名:Sophia(ソフィア)
2.ジャンル:ADV
3.ストーリー:D(はダルイのD♪)
4.H度:D
5.お薦め度:D、絵が好みでもC
6.攻略難易度:D、ただしクイズのみB
7.その他:キャラの早着替え度A、一瞬で着替えたように見えるよ。
(ストーリー)
主人公・原田直人は、映画研究部(映研)の部長。
だが部員は、自分を含めて二人しかいない。
ライバルである映像研究同好会(ビデ研)がコンクールで銀賞を貰ったことや、直人自身の無理な撮影方針のせいで、部員がやめて行ってしまったのである。
しかし、そんな逆境の中8mmフィルムにこだわる直人は、卒業制作の映画を撮ろうとする。
タイトルは「フィルムノワール」…
そのために直人と副部長の岩井真由夏は、出演者やスタッフを集め始めた。
果たして、映画は無事に完成するのであろうか…?
新メーカー“ソフィア”の処女作です。
最初は'99年夏頃の発売予定でしたが、だんだんと延びて行き、結局発売は12月になってしまったという作品です。
グラフィックが好みであった事もあり、ずれ続ける発売日にあおられた事もあり、すぐに買いに行きましたが…ふぅ。
ゲームシステムは、お目当ての女の子に会い選択肢を選んでいくという、いたって普通のものです。
ゲーム期間は7月1日から8月31日までのちょうど2ヶ月間で、出演者を探す第1パート(1学期中)と、撮影をする第2パート(夏休み中)に分かれています。
1学期中はとにかくいろいろな人に会い、撮影に協力してくれる約束を取り付けていきます。
そうしないと第2パートに入っても、攻略が出来なくなってしまいます。
しかし、このゲーム最大の売り物であろう“映画”というものが、最大の弱点(足枷)になってしまった感があります。
確かに「映画に出演してもらう」という理由があるから、女の子と親しくなっていくのは解るのですが、誘い方にどうにも違和感を感じてしまいます。
運と強引さが目立ちすぎるというか(20日間しかないから、しょうがないのかもしれませんが)。
撮影の方もだらだらと進み、直人の“映画にかける情熱”や“自分の夢を探す”といったことは、かなり二の次になってしまいます。
映画をエサにして、結局は女の子と仲良くなるゲームに見えてしまいます。
まぁ、そちらのほうをメインで作ったならしょうがないけれども…。
さらに女の子たちも、あまり…いや全然個性も性格も弱いため、その面から見ても歯ごたえがないとしか思えません。
ヒロイン別に分けて見てみると……
<岩井真由夏>
メインヒロインです。
部員ですから、撮影には必ず参加してくれます。
そのため、前半はほとんどかまわなくていいキャラになってます。
直人に負けない映画の知識を持っていますし。
ダメ部長の直人から離れない事から、前々から直人のことが好きな事は一目瞭然。 でもこのゲーム全体に言える事だけど、イベントのときだけ盛り上がって、普段は全然変化と呼べるものがないから、例え一日前に惚れたとしても疑問は湧いてこないかも(半真実)。
メインヒロインにしては薄いと言うか、こちらにくる印象はかなり弱いです。
「あっ、いたのね」ぐらいしか感じない弱いヒロイン。
自分からデートに誘ったり、キスをした後に自ら直人の家に行くなど、それなりの行動力は持ち合わせているみたいですが、その行動力を発揮する理由がさっぱり描かれていません。
よって、ただ暴走しているだけにも受けとれてしまいます。
さらに、試験に備えて勉強するイベントで直人まで暴走してくれたおかげで、「机を挟んで勉強していたのに、ほとんどタイムラグなしにベットへ…」という、瞬間芸を見せてくれます。
そして直人の「入部したときからお前が好きだった」のセリフ。
この場面で「おいおい、ひょっとして8mmに凝っていた本当の理由って、真由夏が目的だったからなのかい!?」などと思わず勘ぐってしまい、
ストーリーも佳境に入っているというのに、一気に白けてしまいました。
確かに相思相愛のハッピーエンドになる事はなるのですが、メインヒロインでありながら、シナリオ的にはその辺のおまけキャラ程度のレベルでしかないというのは、かなりいただけないでしょう…。
<黒澤菜摘>
ビデ研の部長であり、コンクールで銀賞をとった実力者。直人とはよきライバルといった感じ。
共に互いの実力を認め合い、なんだかんだ言いつつ直人が気になっています。
ストーリーは、同じ土俵でライバル関係にある二人が、お互いを認め合いながら惹かれ結ばれるというありきたりなものです。
ストレートなシナリオの流れで、かつ所々に出てくる“雰囲気”をかいつまんでいくとこんな荒筋になります。
気になるのが、イベントの中で“スピード2”の先行オールナイトを見に行くというものがありますが、ちょっとわざとらしさが目立ちます。
いくら話題の映画だからって、ふと思い立って行った先で二人がバッタリ会えるとは、到底思えません。
あまたある恋愛ゲームもこのようなご都合主義はありますが、他の点もダメな分、こういうイベントぐらいは納得のいくように頑張って欲しかったものですね。
一番“映画”を押し出すべきシナリオではないだろうか?
二人とも監督であるわけだしさ、映画一色みたいなノリで書けば面白いものが書けると思うのに。
ついでに言うと、前半にビデ研の部室に行ったときに出てくる“山川”という、菜摘のことを好きな2年生部員がいます。
が、菜摘に舎弟扱いされたとたんに出て来なくなりました。
結構良いキャラだと思ったんだけど。
なぜこういったキャラを、最後まで絡ませなかったんでしょうか?
ふられたといえばふられたのですが、話を面白くするには、この手の“おじゃまキャラ”は必要だと思うのに…残念。
<大森美希>
直人より一つ年下の、演劇部員2年生。
放課後、校舎裏で練習していた美希に声をかけたことで仲良くなっていきます。
最初は友達感覚で話していますが、直人がフリーなのを知るとお弁当を持ってきてくれます。
まぁ、このイベントの前に「いつもお昼はパンとお弁当どっちですか?」というあからさまに怪しい選択肢があって笑えました。
けっして引っかからないで下さい。
そのイベントや後半のキスのときに「こんなシチュエーションにあこがれていた」と言います。
「うわっ、雰囲気重視の娘が来たな。他のシナリオから見てもあんまり期待できんぞ」と思っていたら、案の定「自分の本当の気持ちに気付かせてあげる」といった内容でがっくり。
ここのシナリオライターさんは、意外性を求めていませんね。
更にHシーン。
まず、美希の部屋で直人が自分の写真を見つけます。それを取り返そうとするうちに二人はベットにたおれ込んで…。
ここまで在り来りだとは…。
どうでもいいが、美希の父親は娘をいたく心配している様なので、Hシーンの時はきっと聞き耳を立てたりするんだろうなー。
それと、前半に日用品を映画で使う小道具に利用する方法を教えてあげるイベントがあります。
が、お金を払って買ったにもかかわらず、なぜかこのイベントでしかでてこない! 撮影パートで使用するシーンは無いんだよ。
あの小道具達、せっかく買ったのに撮影では生かされてないんじゃないか?
この点はかなり勘弁して欲しいですね。
<大森望美>
前述・美希のお姉さん。
直人達とは違う学校“聖フェリーニ女子”の演劇部の3年生です。
美希から姉の事を聞いて、バイトをサボって聖フェリーニ女子に行くと会える、元気な美希に対するお淑やかな性格です。
どこにでもある設定ですね。
お淑やかさんタイプには「きっと心の中にうやむやがある!」と思ったら、やっぱりありました。
自分の憧れの女優「ヘップバーン」の特集を見に行っての「本当の自分はそんなに良い子じゃない」と落ち込む望美。そんな彼女を励ます直人。
やがて二人は惹かれ合い…
姉妹そろって先の展開が読みやすいシナリオです。
山や谷は待っていませんでした。
でもね〜、このシナリオが一番“映画”というものが出ていた気がします。
直人が熱弁を振るってくれたり、カメラを使い望美の心をほぐしていったり…等々。 ストーリーのバランスもしっかり取れていた気がするしね。
ゲームの趣旨とシナリオの良さが一番秀でていたので、1番のお気に入りです(正しくは、この話が一番“あら”が無かったからかな)。
しかし「本当の自分はそんなに良い子じゃない」…
古今東西、この手の発言をするのは間違いなく良い子ですね。
<小津千尋>
望美の親友で“聖フェリーニ女子”のテニス部員兼、演劇部員。
そして、直人と同じアルバイトをしている娘(本人同士は知らない)。
望を攻略してないと知り合う事もなく、撮影にも協力してくれない人です。
さて、最初の出会いはテニスの対抗試合の最中、直人が千尋の“パンチラ”を追いかけるというもの。
そんな直人は、AV監督か盗撮マニアでしかないかと…。
出会いの悪印象を、直人が「夢」をしっかり持っているために感心され、仲良くなっていきます。
そこから友情、恋愛と進んでいくといったあらすじです。
なんら特徴は見当たらない、つまらないシナリオです。
面白かったのは最初の直人の行動のみ。
そこの所でさえ、「聖フェリーニ女子」の場所を聞く交換条件として必要なAVを選んでいる姿を見られ、それを暴露されるのですが、ビデオ屋に行かなくても、結局暴露されてしまうというものです。
出会いのイベントであるので「整合性は取って欲しかったな」と感じました。
それと、Hイベントのときは、家に誘う時に「何もしないから!」と発言しておきながら、次のシーンではもうキス、間をおかずにHシーン。
普段はテンポ悪過ぎなのに、急に急ぎ出されても付いていけないのだが…
あっそうだ、この娘は攻略が大変でした。
月・火・水が千尋のバイトで、金・土が直人のバイト。
そして日曜日はカメラ屋に行くため、メインの攻略は木曜のみなので、うっかり逃すと…攻略出来ません。
<北野朋美>
唯一、前半に攻略のメイン&Hシーンがある人。
ついでに、攻略難易度1位な人。
直人の学園のアイドル的存在の2年生です。
放課後にゲームセンターに行くと知り合うのですが、この娘の攻略にはお金がかかります。
UFOキャッチャーでぬいぐるみをとったり、飯をおごったり、ホテルに行ったりするからね。
まぁそんなことしなくても、撮影に協力してくれます。攻略はできませんが。
攻略難易度1位の理由は、ホテルに行く条件としてゲームセンターにあるクイズをクリアしなくてはならないというものがあるからです。
10問中8問でクリアですが、ジャンル選択は無くて「映画」のみ。
「クリアすると何でも言うことを聞く」と言ってくれますが、少々映画を知ってるくらいでは、たぶんクリアは不可能に近いでしょう。
ゲーム中の対策として、ビデオを借りるとそこに答えが載っていますが、全問をカバーするにはちょっと(全然かな)足りません。
ここは素直に、ネットを使って答えを探してください。
さて、こんな簡単にホテルに行くようになってしまったのは家庭環境が悪かったから、とここまでは本人の話で想像出来るんです。
が、もっと突っ込んだ設定や、解決してあげるといった内容は一切ないです。
この手の話では“そんな性格を直してあげる”内容だと思うのですが、一割程度しか直りません。
その辺は他のシナリオと違って先読みしにくいですが、そのかわり先に進んでる印象はほとんどありませんでした。
消化不良をおこしています。
前半のHシーンのとき「お口でするのが上手い」と言ったのに、後半のキスシーンのときは「ファーストキッスなの」と言う、変な倫理観の持ち主でもあったり(ここが一割分)。
結構可哀想なキャラでありながら、そんなことは微塵も感じないストーリー(注:“微塵も感じさせない娘”ではありません)と言えるでしょう。
一番楽しめたのは、この娘は直人の親友からも紹介されるのですが、その時直人が「お前とはどこまでいったんだ?」と言ってくれた事でした。
<飯田久美子>
直人と同じクラスのSF研究部員。
全然親しくなかったのに、放課後に本屋で一冊しかなかった小説を譲ってあげるとなついてきます。
その後教室で何度か話すと、完全に気に入られてしまうみたいです。
しかし、この娘は無口・おたくときた上にストーカーでしょうか?
ちょっと親切にしたら、放課後の行動のときちょくちょく見かけるようになります(いい意味にとると“一途な思い”になるのか?)。
さて攻略ですが(あれ?)、まずサブスタッフに選ぶこと。
その後、何度か一緒に帰ったりしているうちに、無言の圧力により直人の家までついて来ます。
一回目は、沈黙に耐えられなくなった直人の言葉に、勘違いが炸裂して“キス”。 二回目は、沈黙に耐えられなくなった直人の言葉に、さらなる勘違いが炸裂して“H”。
すみません(涙)。
ストーリーを書こうにも、ストーリーなんかありません。皆無です。
まだバカっぽいお話しなら救いはあるのですが、終始沈黙が支配するシナリオでした。
この娘を気に入るには、相当なメガネっ娘属性がないと多分無理だろうな〜。
あっ、すみません。
まずこのゲームを気に入るかという“難題”が転がってました。
<実相寺彩伽>
真由夏の親友で、弓道部の主将。
当たり前だけど、真由夏の紹介で知り合うことになります。
何度か弓道部を訪ねるうちに(押しかけるうちに)、渋々撮影に協力してくれます。
さて、この娘を見たときに「似たようなキャラがいたような?」という感じがしました。
ヒントは長い黒髪の日本的美人、簡単に言うと“大和撫子”タイプで弓道やってます。あと、家の人が厳しい。
…分かった?
私は攻略するとき、結構このイメージを引きずってしまいました。
そうだ、京都行こう(嘘)。
ストーリーは、家が厳しく両…親ノ言イな…りになッテいる彼女の心ノささエに……ブツッ…
もういい、疲れた。
あぁ…アムロ、先が読める(ララァ)。
シナリオの途中で親への不満がちらほら出たり、最後のイベントで親と大喧嘩し、直人の所に不満をぶちまけに来ます。
そうだね、親が厳しいのは分かった。
だから登場するのかなと思ったら、出て来ませんでした。
直人と彩伽だけでなく、そこに原因である親を登場させたのなら、もう少し凝ったシナリオになったと思うのにな。
ところで、この後のHシーンは弓道場でなのですが…「大好きだった弓道も親の言いつけでやめた」と言ってたのに、そんな神聖な場所でやっていいのかな?
それとも、神聖な場所だからこそかな?
<エイラ=カウリスマキ>
数ヶ月前に転校してきたばかりの外人さんで、同じく3年生。
日本語が上手な事から、長く日本に住んでいるのでしょう。
直人がいつも昼飯を屋上でとっていると、ピアノの音が聞こえてきます。
その音を毎日気にしつつも、教室で美希のお弁当を食べ、余った時間で探すと出てくる一種の隠れキャラ的存在です。
何ともふわふわした独特の雰囲気の娘です。
それにつられ話しもふわふわし過ぎです。
あらすじは、人との交流を拒む彼女の心を溶かしていく内容。
転校ばかりして人付き合いが下手な彼女に、直人がかまっていくと言った所。
だめだ、こんぐらいしか印象に残っとらん。
夏休みまでしか学校に居られないけれど、ゲーム期間が夏休みまでなので「だから?」としか思えない。
その後すぐエンディングで再び出会うので、更に読みごたえがなくなってしまいました。
また、転校の明確な理由は特に触れられていませんでした。
親の都合で訳も分からず転校なんて「おお、某全国遠距離恋愛ゲームの主人公みたいだぞ」(ネタが二度目ですまん)と思いました。
<周防涼子>
映研の顧問であり、他にも水泳部とテニス部の顧問をしている元気な女教師。
顧問なので何もしなくても撮影には参加してくれますが、それだと攻略は出来ません。
前半に撮影のことで相談に行くと、そこでタイミングよく恋人から電話がかかってきます。
後半の撮影時も、電話があります。前半後半、2回ずつ。
よくもまー、こんなに直人といるときを狙って電話があることやら。
考えられるのは、次の三択。
1:同じ職場の人で、状況がすぐわかる。
2:独占欲が強く、すぐに何をしてるか確かめようとする。
3:NTなみの勘の良さを発揮した。
……まぁ2だな…
そういう彼氏だから、自由奔放の彼女とは上手くいかなかったのでしょう。
最後の電話はついにとりませんでしたから。
ここから推測するに(あくまで私の考えです)、これは“喧嘩したけど、仲直りのための電話”だったのではないでしょうか。
しかしもう辟易していた彼女は、それすらも拒否したのです。
だけどこの次のイベントで、飲み屋から泥酔して出てくるので淋しかったのでしょう。
この後、直人君相手に寂しさを紛らわしますから。
さて、この人もストーリー性と呼べるものはありません。
勝手に会ううちに勝手に失恋して、その代わりとして直人が巻き込まれるようなものです。
このシナリオでも、涼子のことが好きな第三者、担任の“今村先生”が出て来るのですが…悲しいかな、
おじゃまキャラですらなく、後半での出番は1回のみ。
飲み屋のイベントで涼子に巻き込まれた挙句、金を払わされるだけ。
たしかにそれほどのキャラじゃないが、何もこんな扱いをしなくてもねー。
(総評)
何だろうね、これ???
疑問符いっぱいです。
最初にも書いたけど、まさしく“映画”が足枷になっています。
進めるほどに映画から離れて行く気がするし、撮影チャートもうざったい以外にない。
映画を題材にしないほうが、のびのび出来たのではないか?
更にシナリオのダルさは救いようのないものがあります。
ストーリーは先が見えるものばかりで「ひねり所」もしくは「盛り上がる所」がほとんどで無かったです。
キャラの性格といい、薄い薄い。
王道ならそれでもかまわない。変にアレンジして暴走するよりはマシだから。
しかし、それを恐れて踏み出さないのはどうかと思います。
次に感じたのは女の子の役が固定されいることです。
メインヒロインや裏方さんなどで五種類あるんですけど、ヒロイン候補の娘をスタッフには変えられません。
私としては「何で自由に決められない?」のか不思議です。
映画のストーリーも一種類しかないのは考え物。
どうしてこんなに選択の幅がないのでしょうか?
更にバッドエンドは、映画が完成しなかった時だけ。
前半に誰もかまわなくても、撮影は出来てしまうんですよ。
ここでもバッドエンドは欲しかったですね。
どうでもいい謎だが、撮影に協力してくれる親友の男性二人。
高校最後の夏休みのくせに「何にも予定がない。だから毎日でも参加できるよ」なんて感動で涙が出ます。
ヤローはどうもいいのかい?
撮影時のシステムとして、撮影ランクなるものがあります。
A・B・Cの三段階で
A:質はいいが時間がかかる
B:普通に撮る
C:速く撮れるが質にはこだわらない
となります。
これに個人技能レベルが関わってきます。
数をこなせば個人レベルは上がって行くので、撮影初日に真由夏が「始めの方はCで、後から撮り直せばいい」とアドバイスしてくれますが、Aだけで十分間に合いました。
他にも、マニュアルによると「何か行動を起こすたびにお金がかかる」そうですが、沢山余ります。
もっと日常的なことにも使ってくれたら、少しはスリリングだったかもしれないけど。
ここいらのバランスの悪さは、気をつけて欲しいものです。
2ヶ月間は少ないのかもしれないけど、考えるとあの『TO
Heart』も、ほぼ同じ期間ではないですか。
しかも『TO Heart』は、春休みはほぼ全部すっぽかしています。
比較するのはあまり良くないけど、この点に関しては月と鼈、いや…そんなもんじゃすまない果てしなき差が存在します。
かといって、これ以上伸ばしてもダルさがパワーアップするだけだろうし。
エンディングも文字送りを設定したままだと、2〜3秒で終わってしまった。
結局、直人はいたって平凡な大学生になったらしいし…
サウンドにしても、場面を盛り上げるパワーは持っていなかったですね。
更に使いまわし(変なアレンジ)が3曲あるんだよ。
せめて、せめてキャラごとのテーマソングでもあったらな〜。
あと、最初に触れた“キャラの早着替え”。
撮影に入る前は私服で、カメラが回ったらいきなり衣装(この場合は制服)。
撮影場所は、山下公園と中華街の二ヶ所。
公園はまぁいいとしても、中華街ではどうやって着替えるのだろうか?
またある娘のキスシーンでは、立ち絵では私服なのにイベント画では制服になり、また私服に戻っています。
「仮にも映画を語った作品なら、このくらいはちゃんとやれ!!」と思いました。
そうそう思い出したけど、上の二ヶ所から舞台は“横浜”だと思うけど…夏休みなのに、誰一人として存在しない山下公園と中華街は、不気味以外の何物でもないです。 中華街に車が一台止まってるのみ!
おっかしいな〜。
ついでに、駅前にも誰一人いませんでした。
問題を更に悪化させている原因がゲームの操作性です。
バグがあるらしく、いきなりFDが付いてきたと思ったら「インストール後に必ず実行して下さい」だって。
まあこれは百歩譲るとしても、テンポが悪い。
“文字送り”が無いため、最初の何人かは攻略がやたら辛かったですね。
なぜ最初のFDで、この機能をつけないか不思議です。
ネットでパッチをおろしてようやく“文字送り”がついて来ましたが、キャラが立ち変わるスピードはそのまんま遅いので、結局イラつくだけでした。
さてと、散々書いてきましたが、このソフト最大の良点の発表です。
ずばり“絵”。
しかも“キャラ限定”と言っておきましょう。
背景はさっき言ったとおりヘボすぎ。
私としては、それ以外の部分は考えられなかったです。
たしかに買った理由には“絵”もあるし“青春の青臭い香り”みたいのもありましたが、ここまで良い印象が“絵”だけだったのは、そうそうないと思う。
確かにメーカー第1作目だから手探りな部分はあるでしょうが、それすらしてないんじゃないか?
これで発売が半年近く延びたのだから、はっきり言って将来性は薄いと感じます。
私は基本的に「自分で買ったソフトは自己の責任、ちゃんととって置く」の主義ですが、中古屋に売ろうかマジで考えました(そういうソフトは“プレプレ”以来だな)。 ためしに中古ソフト屋に行ってみたんだけれど、なんと“今月の一押し”で山積みしてあったよ。
ぜひともこの失敗(決め付け)をバネに、次回作は頑張って欲しいものです。
ところであんまり詳しくないんだけど、この作品中、実際の映画のタイトルや役の名前、人名など頻繁に出ていたけど、こういうのって版権に引っかからないのだろうか?
あと、女の子の名字は映画監督の名前が元ネタみたいだけど、全員わかりましたか?
(エルトリア)