D・i・G
 悪しき者に捕らわれた村を救う為に、掘りまくれ!

1.メーカー名:r(アアル)
2.ジャンル:穴掘りアクションRPG
3.ストーリー完成度:C
4.H度:B´
5.オススメ度:C ただし、やりこんで行くにしたがってE
6.攻略難易度:通常クリア:C 隠しモードを含めたクリアA
7.その他:これはこれで珍しいタイプのゲームだと思うよ


(ストーリー)
 今から百年の昔、人類は“悪しき者”と呼ばれる存在による厄災に苦しめられていた。
 戦争や疫病、飢饉…人間にとってのすべての厄災を詰め込んだ悪しき者…
 そんな怪物に人類はなす術もなく、月日だけが流れて行くのであった。
 しかし一年半の後、人類は数をもって悪しき者へと対抗し始める。
 一ヶ月半の死闘の後、ついに悪しき者に致命傷を負わせる事ができた。
 「後は止めを刺すだけ」という状況にまで追いつめたのである。
 だが傷ついた悪しき者は、とある平和な村に出現する。
 そしてその村を丸ごと抱え込み、地中深く眠りに就いたのである。
 傷を癒す為に…

 百年後…その村が在った場所に一人の旅の戦士ゲイン(変更可)が現れた。
 そこでゲインは、村の女神から「悪しき者の復活が近い」と告げられる。
 女神から、半ば強制的に“悪しき者退治”を任されたゲイン…
 はたして、ゲインは村の…いや、人類の敵を倒す事ができるのか?
 
 
 マップをどんどこ進み、途中に出てくる雑魚敵やボスを倒して行く。
 敵を倒すことにより、経験値とお金を貯める。
 武器防具は宝箱からゲットしたり、武器屋から調達する。
 このような、おおよそ普通のRPGゲームに存在する要素は含んでいると思います。
 そしてこのゲームは、フィールドマップが縦方向の穴を側面から見た視点(『Mr.ドリラー』みたいなもの)であり、「どのようなルートで掘り進んでいくか」などパズルゲーム的な感覚も加わったものになっています。
 簡単に言い換えますと…武器を使って穴を掘ったり敵をなぎ倒し、ラスボスの“悪しき者”を滅ぼしましょう…と言った内容です。
 また悪しき者を倒す以外に、プレイヤーの目的がもう一つあります。
 それは捕らわれの身となっている村人100人を救い出し、村を復活させる事です。
 村人を助ける事は…
・シスターを助け、教会が復活するとレベルが上げられるようになる
・吟遊詩人を助けると、セーブができるようになる
 など、ゲームを進める上で重要になっていきます。
 要は、村人を一人も助けないとセーブもできなけりゃ、レベルも上げられないと…。
 打倒・悪しき者と村を救う事の2点が、ゲームの最大の目標となります。

 とまあ、ここまで来てタイトルが『D・i・g』と言うのは確信犯的な匂いが漂っていて良いですね。
 思わず“ダ・グ”と付け足したくなるには私だけでしょうか?
 少なくとも「穴を掘ってやるぞ!」という意気込みは強く感じますな
 そのような訳でして…ゲームのメインも穴を掘る事になります。
 
 
 んでは、ゲームの方にいきましょう。
 始めに言えることは「とにかく掘れ! そしてシスターを助けろ!」です。
 掘らなきゃ何も始まりません。

 それと先ほども書きましたが、シスターを助けないとレベルを上げられません。
 しかもレベル1のままでは、時には最初のスライムにも惨殺される有様です
 のっけからなかなかのゲームバランスを示してくれます。
 全体的に難易度が高いゲームだと感じましたが、レベル2にする事が一番大変でした(半マジ)。
 とりあえず以降は、レベル上げの繰り返し作業が続いていくことになります。
 敵を倒して経験地を稼ぐ…この辺の感覚はFFやらDQと同じだと思います。
1.レベルを上げるために戦う
2.レベルが上がったので、強い敵を求める
3.よってさらに下へと掘り進んでいく

 といったバランスの取れた循環が生まれ、テンポ良く進んでいくことができます。

 またダンジョンは全1000階層あり、ボスが100階層ごとに出てくるため作戦が立てやすくなります。
 さらにボス戦の途中でも脱出アイテムを使用すれば100%逃げられるので、万が一危険になっても死なずにすむ救済処置もありがたいです。
 ちなみに死んだときのペナルティーは、お金が半減してしまいます。
 そしてシスター以外の村人ですが、クリアに必要な人とそうでない人を合わせて99人います。
 吟遊詩人、薬屋やほか数人を除いては、単なる助けるだけの存在なのですが、結構名前で笑かしてくれます。
 名前が“ファーブル”で、職業が“昆虫博士”などは序の口で、酷いのになると名前が“ユダ”で職業が“裏切り者”や“ギレン”で“野心家”などという名もありました…
 結構元ネタがわかれば、ニヤリとできる良い“遊び”ではないでしょうか?
 (ただ名前が“マクベ”で職業“壷収集家”はやめれ)

 それと、もう一つ面白い個所があります。
 RPGの楽しみ(?)の一つに武器・防具の収集があります。
 このゲームでは武器が全部で100種類、防具が全部で52種類出てきます。
 初期装備を除いて、集める方法には武器屋から買うのと宝箱をあさるの2種類があります。
 が、そのうち宝箱からゲットできるものはランダムで出てくる為に
 “出現率の低いアイテムを求めて、何回もダンジョンへチャレンジ”のような軽い中毒性を持つ遊び方も出てきます。
 アイテムの数は少ないと感じますが、舞台が一つのダンジョンだけなので破綻を来さない数だと思います。
 
 さて、今までで述べた事はスタートからレベル70あたりまでの間の事。

 レベル70…これは難易度的にラスボスが倒せるレベルなのですが、これを過ぎたあたりから段々と雲行きが怪しくなってきます。
 それとはじめに書いておきますと、以下のことは実行しなくてもクリアはできます。
 あくまでも、完全攻略を目的とした時ですので、別にいいやという人は読み飛ばしてください。










 
 
 
 →ここから…
 
 武器を100種類集めるという事は書きましたが、その武器1つ1つにレベルが設定されています。
 敵を一回攻撃するごとに、武器経験値が1上がっていき、100で1レベルアップ。
 レベルアップの効果は、その武器の攻撃力が上がることです。
 一つの武器はレベル10まであるので、全部の武器をレベルMAXにするには…
 (武器数)100×(レベル数)10×(1レベル上げる)100=100,000…じゅうぅまぁんかいぃ? にも及ぶ戦闘を繰り返さなければならなくなります。
 これをMAXにするのに『久遠の絆』の総プレイ時間の2〜3倍行った気がする…

 モウ、ボクハツカレテシマイマシタ。
 サガサナイデクダサイ。


 ……………………ハッ、やっと帰ってこれた(満身創痍)。


 ハッキリ言わせてもらうと、無駄としか感じられないこの武器レベルは、何を以てつけられたのか?
 やり込みを狙ったのでしょうが、外しまくっています。
 折角、面白く進んでいたのに、なぜそれをぶち壊してしまうのかな。
 例えばこれが、長剣なら長剣、斧なら斧の熟練値という形をとっていたのならプラス要素になっていたのにな…残念です。
 
 ここまで←
 
 









(ついで)
 オマケシナリオについて…

 またバグってデータが消えるのが嫌だったので「アップデートがあるかしら?」と思ってメーカーのHPを覗いていたところ…
 ある条件を満たすと発生するオマケシナリオがあるではないですか!

 発生条件というのは、以下の二点です。
・“ツヨクテハジメカラ”でゲームが始められる事
・クリアしたレベルが100以上である事
 ゲーム本編をこの2点を満たした状態でクリアしていると、オマケプログラムでスタートできるようになります。
 おまけシナリオで追加されるストーリーは2本あり、ともにゲームクリア後のショートストーリー的要素のもの。
 内容も変わったことをやるでもなく、違う事といえばプレイ時間くらいなものです。
 くどくなく、かといってそこそこの歯ごたえがある難易度であるため本編の延長戦上でプレイができる…そんな作りになっていたのは良かったです。
 
 
(総評)
 個人のやり込んだレベルによって評価が分かれてしまいそうな作品ですが、まとめますと「帯に短し、たすきに長し」。
 もしくは、無駄なものを詰め込んでしまったが為に評価を落としてしまった残念な作品ではないでしょうか?
 発想が良く楽しく遊べる前半の割には、いまいち煮えきれていない後半が辛かったです。
 プレイした時、私はRPGタイプのゲームに飢えていたのでやり込めたのですが、はたして素直に選ぶゲームでは無いでしょう。

 やり込み要素を入れ、ゲームとしての寿命を長く持たせたかったのでしょうが、問題は2点あります。
 一つ目は、完全に終わるタイミングが見えている事(回数)
 二つ目は、やり込んだ時間に見合うだけの見返りがない事(効果)
 これらが災いして、折角のプラス点を相殺してしまっています。

 スタート間際のテンポのよさを終わりまで保たせるか、そうでなければ潔いところでちょん切った方が良かったように感じました。
 
 
 あっ、そうだ。
 このゲームが18禁である要素を書いておいたほうが良かとですね。
1.ゲインが村人を助ける。
2.助けた村人が女の子だった。
3.
「ゲインさん、ありがとう」
 …これが大まかな流れですかね…ははは。

 せっかく面白い発想でゲームを作ったのだから、もう少し別な部分で力をいれて欲しかった気がします。

(エルトリア)

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