DALK外伝 〜“DALK”a supplementary story〜 
 あのDOS時代の名作「DALK」にまさかの続編登場!
 九拾八式工房のコーナー「天下一DALK」の管理人という顔を持つほどのDALK大好きの俺っち。
 これはやるしかあるまい!

1.メーカー名:アリスソフト
2.ジャンル:RPG
3.ストーリー完成度:C
4.H度:A
5.オススメ度:A
6.攻略難易度:C…か?
7.その他:俺っちは大方の予想通り(笑)時子しゃんに萌え殺されました♪


(ストーリー)
 それはいつからだったのだろう…
 山の様な巨体を誇る巨体神ヴァルガの体内に、寄生魔神と呼ばれる忌まわしき存在、ポート・ヌーヌが姿を現したのは…
 やがて魔神はその魔力により、忌まわしきモノ…モンスターをヴァルガの体内に無差別に排出し始めた。
 放置できない事態に陥ったものの、天界の神々の中でも戦神と呼ばれる者達は全て別の戦や調査等で手が放せない状態となっている。
 そこで天界を統べる絶対神フラドは、日頃から暇そうにぶらついている恋愛を司る神マーティスに目を付けた。
 なかば強引にポート・ヌーヌ討伐を命じられたマーティスは、自分の館に仕えている7人のメイドを伴い、今や迷宮と化したヴァルガの体内に挑むのだった…


 ……とにかく、最初に発売のアナウンスを聞いた時には驚いた。
 もちろん、これには俺っちがこの九拾八式工房で展開している超趣味に走ったコーナー「天下一DALK」の管理人をやっているから、という理由があったのだが。 

 この「DALK」という作品、DOS時代から数えて、実に10年近くやり込んでいるのだから、我ながら良く飽きないなあ…などと思ってしまうが、それぐらい「DALK」という作品は俺っちにとってのベストゲームでもあるのだ。
 しかし10年も昔のDOSゲームの続編である。
 しかも今のHゲーム界の主流であるADVではなく、シミュレーションRPGの続編。
 流石に期待半分不安半分といったところで、天下一DALKで展開している「DALK掲示板」でも、様々な意見、噂、情報などが飛び交ったものだ。

 そんなこんなで様々な憶測を胸に秘めながら取り組んだこの作品だったのだが、結論から先に言うと
「半分は期待通り、後の半分はいい意味で期待を裏切られた」
 と言ったトコロだろうか。

 一応解説すると、今回の「DALK外伝」の前編に当たる「DALK」という作品は、当時大流行したファイアーエンブレム等に代表される、タクティカルSLG+RPG。
 封印された神を解放するために、主人公のセイルを含め15人ものキャラクターを駆使して、地道にダンジョンのモンスターを倒しながら進む、シンプルながら奥深い作品だった。
 しかも、本編を解き終わると地下1000階(Win版は100階までだった)に及ぶ隠し迷宮が現れるという、当時のゲームとしてはちょっと考えられない仕様になっている、ようするに「やりこみ系ゲーム」だったのだ。
 いつまでやっても先が見えない迷宮、苛烈なモンスターの攻撃、育て甲斐あるクラスと成長システム、そして強力なレアアイテム…
 RPGのやりこみ要素をふんだんに盛り込んだ傑作だったと言っていい。
 だからこそ、これほどの時間が経った作品であるにもかかわらず、天下一DALKの掲示板にはいまだに客足が絶えないのだが、これは俺っち自身にとっても驚きだった。

 さて、そんなわけで俺っち的に今年の注目度No.1だった「DALK外伝」である。
 システム面の使いやすさは流石と言うべきか。
 前作「DALK」の欠点の一つとして、とにかく操作性が悪い、という事があった。
 一回行動終了してしまうとやり直しがきかない、一歩ずつマウスをクリックしながら前進しなければならない、同じクラスのキャラがいると誰が誰だかわからないetc…数え上げたら枚挙にいとまがないぐらいだ。
 しかし環境がWinに移行し「かえるにょぱにょ〜ん」(以下「ぱにょん」)から連綿とRPGにこだわり続け、それと同時にどんどん進化させていったシステムは健在で、それまでに培ったノウハウを最大限に生かしているのは見事としか言いようがない。
 カーソルを下に移動させるだけでキャラクター表示を一発で切り替えられたり、行動のやり直し等の操作も複数のやり方が存在するなど、スムーズさは本当に磨きがかかっている。
 スタッフもここのところは力を注いだのだろう、ストレスなくゲームを楽しむことが出来た。
 実際、やりこみ系として存在する作品である以上、長時間プレイは必須。
 そういう作品に、まずシステムの充実を最重視した点はツボをよく心得ていると言っていいだろう。


 さて、この作品には上でも書いたとおり旧作DALKのエッセンスを取り込んだ、要するに「期待通り」だった部分と、DALKにはなかった要素「いい意味で期待を裏切られた」部分が存在する。

 まずは期待通りだった部分だが、コレは何といってもキャラクターの成長システムだろう。
 前作にも様々なクラスが存在し、誰をどのクラスにするのか頭を悩ませたものだが、その反面「誰がどのクラスになっても、容認される器の広さ」というものがあった。
 もちろんキャラによっての向き不向きというものはあったが、あえて有利不利にはこだわらずに自分だけのこだわりキャラが作れたし、それならそれでゲーム進行には何の差し支えもなかった。
 ところが一応DALKの流れを汲んだ作品「ぱにょん」では、最強クラスがキャラ限定である上、再クラスチェンジするには全員を一般人に戻さなければならないというとんでもないペナルティがあったため、そういうこだわりキャラを作るのが非常に困難になってしまった。
 そして、今回のDALK外伝。
 クラスチェンジのやり方や系統分けは、はっきり言って「かえるにょぱにょ〜ん」に近い。
 だが、今回はレベルアップの度にステータスのどれか一個にボーナスポイントを%で振って強化できるという概念が加わったため、弱点のフォローも長所の強化も完全にプレイヤーに依存する形となり、好みのキャラクターが作りやすくなっている。
 また、DALKの様にクラスチェンジが不可逆ではなく、いつでも最初の一般クラス・メイドに戻せるのもポイントが高い。
 もちろん、「ぱにょん」の様に全員が一般人に戻るということもないし、再クラスチェンジするには、また最初からクラスチェンジ用のアイテムを使用し直さなければならない。
 例えば攻撃系の最強クラスDALKに他の系統のクラスからチェンジしたければ
 メイドに戻る→アマゾネス→ヴァルキリー→DALK
 という三段階もの課程を踏まなければならず、それに伴うクラスチェンジアイテムを3つも消費することになる。
 しかし、序盤こそあまり手に入らないクラスチェンジアイテムも、後半の極めモードに入ればかなりの数が入手可能なため、このペナルティーはまさに適度と言っていい。
 またクラス自体も魔法系・攻撃系・防御系・格闘系の4系統に加え、魔法+格闘のミネルバ、攻撃+防御のアテナ、突然変異で若干特殊な能力を持つエンジェル・ナデシコなど盛り沢山で、本当に楽しめる。
 実際、この仕様のおかげで後半になれば気分変えでクラスチェンジしたりも出来るし、こだわりキャラクター作成もお好みのままだ。
 ウチのライターの1人、エルトリア君は「やっぱ、天使は悪魔っ娘ですよー」なんていう理由だけで、レジィナをエンジェルにしていた。


 では、いい意味で期待を裏切られた部分。
 それは、こういうやりこみゲーム系の魅力の一つ、アイテムの概念だ。
 実は、前作ではアイテムが完全に固有であり、例えば「ランス」なら攻撃力に+45、レアアイテムの「ジョージランス」なら攻撃力に+420と、その武器によって数値が決まっているというタイプのものだった。
 それにディップという宝石を消費することで能力を上乗せする、という概念があったのだが、実際このディップの消費というのは効率があまり良くなく、ほとんど使われないものだった。
 だから、もともと数値が高いレアアイテムを血眼になって探すのが、DALKの面白さの一つでもあった。
 だが、今回のDALK外伝では「かえるにょ国にょアリス」同様、アイテムスペースが横11×縦16の碁盤目状になっており、そこで使用可能なスペースがキャラごとに決まっている。
 そのため、範囲内で様々な大きさのアイテムをやりくりしながら装備していかなければならない。
 当然、効果が高いアイテムは大きかったり、同じ効果のアイテムでも大きさが違ったりと様々なものが混在している。
 そして、そのアイテムには大きく分けて2種類が存在する。
 一つはステータスに直接数値を+するアイテム、もう一つがステータスに%でボーナスを振り分けるアイテム。
 面白いのは、直接数値に関わるアイテムが、数値固定ではなく潜った階層×そのアイテムの基本数値になっている事だ。
 つまり深い階層に潜れば潜るほど、強力なアイテムが出やすく、リスクに伴うメリットも良い数値のアイテムという形で恩恵がもたらされる。
 さらにランダムでそれらの1.5倍や2倍の効果を持つものも現れるため、非常に集め甲斐があるのだ。
 特に基本数値の高いアイアン系の防具で1.5倍(この系列は2倍アイテムはない)効果のあるものが出ると、喜びもひとしおだ。
 またレアアイテムは主に%を上げるアイテムで、特に+30%の効果のある、マジックロッドマジックソード、物理と魔法両方の防御力を上昇させるホーリーメイルなどは入手が困難を極めるため、アイテムコレクターはこれまた必死に迷宮への探索を続けることになる。

 この様に楽しめる要素が満載されており、極めゲームとしては申し分ないと言える。
 これで定価2800円の低価格シリーズ…
  高い金払ってロクでもない作品を掴まされる事も多い昨今、もはやこの質の高さは究極レベルのお買得商品だと行っていい。
 「ぱにょん」から続いたRPGシリーズも真骨頂を迎えたといったトコロだろうか。


 だが、惜しむらくは長所が多い代わりに、短所も決して少なくない事だ。

 まず何といってもマズいのが、Hシーンとゲームに何の関連性もない事だろう。
 前作DALKではHシーンがそのまま、戦いで経験値を稼げない主人公・セイルのレベルアップに直結するという方式をとっており、そのHシーン時の会話などでキャラクターを立たせる事により、その個性を魅力的に引き出していた。
 だが、今回の主人公・マーティスも戦いで経験値を拾得できないため、メイド隊の娘が稼いだ経験値を吸収することでレベルアップする訳だが、その方法は「キスする事」であり、実はHシーンに突入するコマンド「女の子の部屋を訪れる」ではなかったりする。
 では、このコマンドが何のために存在するかというと、本当にただHシーンを見るためだけに存在するのだ。
 もちろん、何回も女の子の部屋に行けばシナリオも展開していく。
 エレシアとレジィナの確執、時子の妹のエピソード、リーシャの子育て騒動など見るべきトコロは確かにあるのだ。
 だが、それらはHシーンを見ていないと展開しない上、ゲーム進行上実は全く意味がないものだったりする。
 正直、個人的にはDALKシリーズにエロは望んじゃいない。
 しかし、前作はそれでもシステム上必要不可欠だった訳だし、その課程で女の子達との交流があったからこそ納得していたのだ。
 ところが、このDALK外伝、実はコレまた前出のエルトリア君の話なのだが、彼は何と今までに「女の子の部屋に行く」コマンドを一回も実行したことがないそうである。
 さて、それでいて彼と俺っちとの進行具合がどんなものかと言えば、実は隠し迷宮を65階層以上の差を付けてリードされている有様なのだ(俺っちがデータ取りのために同じ階層にとどまり続けているせいもあるが)。

 つまり何が言いたいのかというと、実はHシーンなんぞ見なくてもエンディングを迎えることが出来るし、その後のゲーム展開にも全く影響がないのである
 いくら何でもコレはないだろう。
 上でDALKにエロは求めていないとは言ったが、エロが単なるおまけにしかなっていないのはHゲームとしてのアイデンティティに関わる問題だ
 そんなにエロを絡めたかったのだったら、経験値吸収のイベントにすれば良かっただけだろうし、あくまでもゲーム内容で勝負したかったのならば、一般作品で出したって良かったはずなのである。
 現に「戦巫女」や「闘神都市、それから…」などの一般作品だってアリスソフトは出しているのだし。
 少し考えれば、経験値吸収にわざわざエロテキスト読ませる手間を省く配慮なのかも知れないが、出来れば無意味なHシーンというのだけは勘弁して貰いたかったものだ。
 逆に第一エンディング後の4枚目のCGはキレイでいいんだけどね〜

 次にアイテムやモンスター名、果てはクラス名などがかなりおちゃらけたものになっているのも、個人的にはかなりのマイナス要素。
 これもまた前作との比較になってしまうのだが、前作DALKはアリスソフトのRPGにしては珍しく、昔のランスシリーズからあった体力回復アイテムの「世色丸」「まんが肉」やら、「ぶりょ」「まる」などといった何がなんだか良く分からないモンスターといったふざけたセンスが殆ど存在しなかった。
 それ故に、非常に雰囲気のいいファンタジー世界を構築していたのだが(例えば、各ステータスを上げる薬がそれにまつわる神の名前を冠していたりね)、今回のDALK外伝はそういう設定や雰囲気の良さは微塵もなくなってしまい、前半からおふざけモンスターのオンパレード、あげくにアイテムですら射程を上げる「うさ仮面うさ」、移動力上昇の「長靴に入った猫」、回避上昇の「変な虫」など、もうメチャクチャ。
 他にもファンタジー系の欠片も感じさせない「ぱにょん」から受け継がれたアイテムも頭が痛いし…
 射程を上げるアイテムなら「鞭」、「変な虫」だって「スカラベ」ぐらいの言い回しはあったと思うんだけど…
 しかし、それにもまして勘弁して欲しかったのが、格闘系の最強クラス・タイガージョーと防御系の最強クラス・アリエッタだろう。
 各々4系統のクラスの最強クラスはそれを司る神の名前を冠したクラスになれるのだが、魔法系のLUNA、攻撃系のDALKは良いとして、今挙げた二人は明らかに別作品…アリエッタは「ぱにょん」、タイガージョーは「Only You」…のキャラである。
 ……アリスソフトのスタッフの面々があの二人を特に気に入っているのは良く分かる。
 だが、作品の雰囲気をぶち壊してまで、他のゲームのキャラを無理矢理出演させる必要などどこにあるというのか? ましてや神様扱いなんて…
 しかも、聞いた話でしかないのだがタイガージョーって、昔の特撮作品「快傑ライオン丸」のライバルキャラなのだそうだ。
 ただでさえ、キャラクターデザインやシナリオ等、パロディのオンパレードで問題になった「OnlyYou」のネタをこんなところで持ってこられてもねえ…
 マーティス、フラド、DALK、LUNAといった前作から登場している神の名前が多数出てくるのだから、前作に照らし合わせて防御系ならシーカ、格闘系ならカイトの名前を使えば雰囲気良かったとも思うのだが…
 今のHゲームをやる年齢層が旧DALKをどこまでやっていたかと考えれば、そういう古いこだわりなど切り捨ててしまってもいい箇所なのかも知れないが、前作からのファンである俺っちから見ると何とも寂しい限りだ。

 そして、最後にモンスターのバランスについて。
 はっきり言うと、これはかなり悪い。しかも序盤〜中盤。
 死ぬことが前提となっている場面も少なくなく、正直旧DALKの繊細なバランス取りとは比べるべくもない。
 これは、モンスターに各ステータスの基本値が振られており、そこに潜った階層(イコールレベルなのだが)の数値をかけた値がステータスになるために起こる現象なのだが、とにかく深く地下迷宮を潜れば潜るほど、敵の攻撃が苛烈になっていく。
 もちろん、一ヶ所にとどまってレベル上げに専念すればいずれはキャラクターが強くなって切り抜けられる訳だが、前作の主人公・セイルと違いマーティスは回復手段を持たないため、何体ものモンスターとガチンコ勝負を繰り返していると、はっきり言って体力切れをすぐに起こしてしまう。
 せめて体力切れを防ごうと防御系のクラスになっても、敵の攻撃に4発しか耐えられないとか、そんなレベルでの攻防ははっきり言ってかなりのストレスだった。
 また射程内ならば、どこのキャラを狙ってくるかランダムなのも難しさに拍車がかかっており、防御の弱い魔法系のキャラなどが集中砲火を浴びて何も出来ずに塵と化してしまう場面も少なくなかった。
 更に言わせて貰えば、射程の長い敵が多すぎる。
 コチラは魔法系にでもならない限り長射程は得られないのだが、敵は魔法だろうが物理だろうが射程3・4当たり前で攻撃してくる。
 これじゃあね…

 そして、その敵の攻撃に対するアリスソフト側の救済措置が「死んでもノーペナルティ」という、かなりやっつけなものなのだ。
 酷なことを言わせて貰えば、
 バランス取りを放棄して、死んでもノーペナルティという特典を付け足してあとは逃げた
 と言う風にしか思えないのだ。
 ただでさえ、低価格シリーズで開発費に赤字が出まくったという噂まで出た本作品故にあまりキツく言いたくはないのだが、こういう点だけはキチンと作って欲しかったなあ…というのが正直な感想なのだ。


(総評)
 と、まあ…かなり前作との比較が中心になってしまったが、実際のトコロはよく作り込まれており、モンスターのバランスが悪いとはいえ、じっくりやる事で状況を楽にすることも出来るので、こんなトコロも旧DALKを引き継いでいると言えなくもない。
 はっきり言ってしまえば、この作品は「ぱにょん」からの発展系であることは否めない。
 いくら「ぱにょん」が「DALK」の延長線上にある作品だったとはいえ、やはりその楽しさは「DALK」とは異質のものだったし、ノリもだいぶ変わっていた。
 だが、「ぱにょん」以降からの洗練され続けたシステムを見事に使いこなし、アイテムやキャラ育てなどの「DALK」からのエッセンスを上手に受け継ぎ、本作品を練り上げたのはまさに見事の一言。
 
 ただ若干気になるのは、前作を知らない人間がこの作品にどういった感想を抱くか、だ。

 実は総評の方まで後回しにした、この作品のストーリー部分。
 今回は前作をやっていない人間を考慮してのことだろう、主人公のマーティス以外は殆どが今回初出のオリジナルキャラばかりなのだが、これは10年前の作品に触れていないだろうと思われる、ユーザーへの配慮だ。
 だが、そのキャラクターのストーリーというのは、基本的に女の子の部屋に行くことでしか展開されない。
 あげくに、皆マーティスにべったり惚れ込んでおり、そういう点ではキャラクターの描き分けは意外とされていない様に見受けられた。
 まあ、そういう思いをある程度胸に秘めて隠している時子と、照れ屋で無口なファーファの描き方は上手だなあ…とも思ったが。
 とにかく第一エンディングを迎えるまで、ダンジョンパートでのストーリー展開というものは、途中にある女殺しというモンスターをどかす時とハニーにしか反応しない魔法装置を動かす時ぐらい。
 結局、この作品のストーリー部分というのは、各キャラクターの部屋に訪れた時の会話で、いかにキャラに感情移入できるかにかかってくるのだと思う。
 第一エンディング後に入れる隠し迷宮では、エレシアとレジィナの仇ではないかと言われ、この迷宮での実質のボスモンスターでもあるデーモンロード・ロブディンナーグと、どう見てもフィーメと関係のありそうなお供のグウレイグが登場して「お、何かシリアスな話になるのかな?」と期待したが、これも最後に戦闘で決着をつけただけで、ストーリーには全然絡んでこなかった。
 こういう点は、あくまでもこの作品の本質〜ゲームやシステムを楽しむ事〜からあまり関係ない部分でもあるため、あえて削いでしまったのかな、とも思えたが、出来ればストーリーの帰着として、ロブディンナーグとの一件の結末は提示してもらいたかったものだ。
 まして、今のこの業界は全体的にストーリーを重視する傾向にある。
 そういう環境で育ったプレイヤーが、こういうシナリオにどういう反応を示すのか…
 ストーリー重視型の面々にとっては、若干ツラい内容なのかもしれない。

 だが、10年前の作品の続編という、非常に微妙な作品をよくぞココまでまとめ上げたものだと、素直に拍手を送ってもいいだろう。
 旧DALKとはまた別に新しい楽しみを提示してくれたと俺っちは思っている。


(追記)
 一部のレアアイテムが出ないという不具合が発生しているため、修正ファイルは必須。
 やる人はアリスソフトのHPに行って、VER1.03にバージョンアップするべし!
 セーブデータとかは継承できるから問題ないよ☆



(梨瀬成)


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